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女性のあした研究所

女性市場攻略:変化する女性マーケットのつかみ方

HERSTORY REVIEW公開記事 | 2018年9月16日

2017年5月 HERSTORY REVIEW創刊号より

キーワードは、5つの「再編」に着眼する。

女性客の買物行動は明らかに変わってきた。
女性客は、多様化という言葉では片づけられないほどに進化と変貌を続けている。
売り手側の「再編」は急務だ。着眼すべきは5つの「再編」。
集客、商品開発、ターゲット、ウリ、販促の5つを新たな女性視点で見直す。

街の中を歩いていると突然の行列に出会った。

教会の壁の前で女性たちが次々と写真を撮っている。
行列は写真を撮るため。壁には、花で作った大きなハート型のオブジェ。

「+=?」という記号の間に女性が立って自由なポーズで撮影する。
教会は結婚式場でもある。「やっとここに来れたねー」と嬉しそう。
写真はすぐさまInstagramに投稿される。
ここに来た証拠になる。

いいね! の数、友達のリアクションがうれしい。

ネットがあればどこにいても何でも買える。
だからわざわざ行って写真を撮った事実が価値だ。

再編1.集客を変える
利用者59%が女性のInstagram。LINEに次ぐアクティブ率85%

4大SNSの利用者数順位は、 LINE、Twitter、 Facebook、 Instagram。
利用者数第4位のInstagram。最大の特徴は女性利用者が極端に多いこと(表1)。
しかもアクティブ率は84.7%。 LINEについで2位だ。
Instagramは写真共有に特化したSNS。
「きれい」「かわいい」というモノやシーンがどんどん女性たちによってシェアされていく。
男女の関心の違いがはっきりと出ているSNSだ。
つまり女性を集客するには写真映えするイベントや商品に「再編」することがコツと分かる。

 

再編2.商品開発を変える
買う理由はフォトジェニック。商品さえ変えるSNSパワー

近くのドーナツ屋にひっきりなしに女性が入る。
持ち帰り用のドリンクカップのストローにドーナツをさしてリングのように乗せる。
ピンクのドリンクカップの上に、鮮やかなドーナツが「かわいい」と話題だ。
土日になると全国から買いに来る。いや、撮影にやってくる。
何を買うかというより見栄え。どれだけSNSにインパクトをもたらすかが買う理由だ。

当社では直営のビストロを経営している。
メニューはお客様に出したときに「ワー」と感嘆を上げてスマホで撮影してくれたかどうかで決まる。
シェフの腕は重要だが、お客様の行動はそれ以上。 SNSは商品開発の「再編」を迫る。

 

再編3.ターゲットを変える
女性のライフイベントに異変。年齢では見えない顧客像

女性のライフイベントの順番に異変が起きている。
女性は社会人になると就職、結婚、出産、育児というコースをとると思われてきた。
30年前は専業主婦になる女性は、共働き世帯の倍近くあった。
今は出産後に復職や再就職をする女性のほうが多くなった。
さらに生き方そのものが自由で多様になった。
女性は「解放区」に入ったと私は呼んでいる。
結婚するもしないも自由。過去3年間、結婚は減少が続く。
片方が再婚または両方が再婚という率は26.8%。実に4組に1組だ(参考:厚生労働省人口動態統計特殊報告)。

初産年齢も上昇の一途。2014年は第一子30.6歳(表2)。
幼稚園や小学校のPTAは親子ほどの差がある親の混在も珍しくない。
妊娠と結婚が逆、60代以上の再婚も上昇している。
ひと口に「35歳の女性」といってもさまざまだ。
ターゲットはどんな人なのか、設定の「再編」が必要だ。
ヒントは女性のライフコースにあると考えている。

 

再編4.ウリを変える
売れない時代に伸ばす雑誌。「リンネル」な暮らし方に注目

雑誌が売れないと言われる中、売上を伸ばしてきた雑誌がある。
ナチュラル系や暮らし系といわれる「リンネル」だ。
創刊は2010年。読者は30代を中心に20代から70代まで幅広い。
流行のファッションや化粧品よりも住まいや暮らし方を重視。
生活を丁寧に、大切にしたい、という女性たちに支持され、年々発行部数を伸ばし続け、上位に入ってきた。
女性雑誌お得意の付録もリンネルは卓越していると評判だ。
例えばポーチひとつ、付録であっても長く使えるようにと丁寧に縫製され、ポケットも多くて機能的など、こだわりが読者に伝わる。
リンネルは、女性雑誌にあふれるファッション誌とは一線を画してきた。
服やモノを売るのではなく「生き方」「暮らし方」を売るというポリシーを売ってきた。

モノからコトへと言われて久しいが、コトを売るとは、ポリシーを売ること。
ウリの「再編」は年代を超えたファン作りにつながる。

 

再編5.販促を変える
紙のチラシ、 DMが復活?手にとる、めくる楽しみが大事

SNS疲れという言葉も聞かれるようになった。
フォトジェニックを探して出かける女性が増えたということは、リアルな場所、ライブなことに価値があるという本質を見失わないことだ。

ネットが大事なのではなく、体感が大事。
その一つとして紙の人気復活がある。女性は基本的にフリーペーパーや情報誌、通販カタログも好き。
紙をめくりながら、お茶を飲みながらネットで注文する。
風合いが好き、めくる楽しみ、友達と一緒に見る、そんな紙の価値も再熱している。
「DMをやめたらお客様が激減した」(衣料メーカー)という声もある。販促企画の「再編」も重要だ。

HERSTORY REVIEW 創刊号 :女性視点マーケティング

HERSTORY REVIEW:http://www.herstory.co.jp/review/

 

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