社員、アルバイトがともに学び、 地域に密着した商品選びと店づくりに力をあわせ、 お客様を呼び込む「生活提案企業」に | 女性トレンド総研 HERSTORY
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社員、アルバイトがともに学び、 地域に密着した商品選びと店づくりに力をあわせ、 お客様を呼び込む「生活提案企業」に

小浦グループ 小浦石油株式会社

代表取締役社長 小浦 芳生 氏

祖父の先見性と行動力

明治35年(1902年)にいち早く石油に注目し創業、暮らしに欠かせない石油一筋の歴史を持ちつつ、近年はエネルギーおよび生活提案企業として事業を展開、『総合サービス産業』を目指す小浦グループ 小浦石油株式会社様。ハー・ストーリィでは同社のTSUTAYA事業のTSUTAYA貝塚26号線店リニューアルに合わせて顧客調査や女性視点からのアドバイス、陳列や提案コーナーなどでお手伝いをさせていただいています。 前職はお医者様、異業種出身の小浦社長に、ロードサイド事業で培った地域に根付いた顧客接点を多事業に活かすヒントや人材教育などについてお伺いしました。

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小浦グループ 小浦石油株式会社
代表取締役社長
小浦 芳生 氏
<プロフィール>
昭和59年3月 兵庫医科大学医学部卒業
平成元年4月 兵庫医科大学医学部大学院卒業、医学博士
平成6年11月 小浦石油(株)代表取締役常務
平成9年11月に同 代表取締役専務
平成14年10月より代表取締役社長。コーワ商事(株)代表取締役社長、(株)宝泉丸油代表取締役社長も兼任。大阪青年会議所特別会員、大阪府石油商業組合・大阪府石油協同組合事理、関西ニュービジネス協議会会員、近畿コスモ会副会長、全国コスモ連合会理事、大阪ロータリークラブおよび日本内科学会に所属。

共創プロジェクトのテーマ

コンビニ、TSUTAYA、ガソリンスタンド、住宅リフォームなど多種多様な業種業態を展開している。中でも小売店は地域密着として女性やファミリーに愛される必要がある。そのノウハウを店長や社員に浸透させる

共創プロジェクトの方向性

地域密着のロードサイド店舗のTSUTAYA事業以前はレンタルビデオなどが主流だったが今後を考えて地域の人が欲する商品が提供できる店づくりを構想する。

​導入成果

地域在住の周辺のお客様たちをHERSTORYの協力で集めてインタビューを行い、様々なご意見をいただくことができた。多数の店舗があるがすべてお客様の視点を取り入れることが重要と痛感した。お客様から「こんな店が欲しかった」「ありがとう」といわれることが多くなり新たな業態開発をHERSTORYに今後もお願いしていきます。

INTERVIEW

■小浦グループ様の原点は石油販売とお聞きしていますが、創業はいつ頃ですか。

小浦さん:当社は明治35年(1902年)に曾祖父が小浦石油商会として創業しました

戦後、祖父の代に大阪に出てきたわけですが、当時は戦後復興の中で工場用の燃料を卸す会社が多かった時代です。しかし、映画やアメリカ車が好きだった祖父は、日本にもアメリカ映画に出てくるような豊かな暮らしが必ず訪れると考え、戦後の自家用車など持つ余裕のない時代に、自ら土地を購入し直営のガソリンスタンドを展開していきました。ちなみに、戦後日本に建築された給油所第一号が当社の給油所として記録に残されています。


日野:とても先見性と行動力がある方ですね。


小浦さん:はい、そうですね。一番多いときには大阪・和歌山を中心に関西圏に60店舗の直営スタンドを展開し小売り販売に取り組むとともに、大手企業の工場や配送センターへタンクローリーで燃料を供給する産業燃料分野でも幅広い営業活動を行ってきました。


日野:一般小売りのガソリンスタンド経営と工場を中心とした事業所への燃料の供給と2つの柱でご発展されたということですね。


自由化による業態変化にも柔軟に

日野:そこからまた枝葉の様に現在は様々な事業を展開されていますが、そのきっかけとなったのはどんなことだったのですか。


小浦さん:そこからまた枝葉の様に現在は様々な事業を展開されていますが、そのきっかけとなったのはどんなことだったのですか。1996年3月31日に時限立法であった特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)が終了し、それまでは限られた人しか扱えなかった石油製品が誰でも輸入できるようになりました。


日野:一種の自由化ですね。


小浦さん:はい、それ以降全国で6万5000軒もあったガソリンスタンドが3万1000軒近くに減少してきています。


厳しい時代の到来に、ガソリンスタンド1本では先行き見通しが立たない。そこでロードサイドというガソリンスタンドの地の利を活かし、他の商材を販売することを考え始めました。このことで現在の小浦グループが地域に愛される生活提案企業として様々な事業を展開することになりました。


日野:TSUTAYA様やファミリーマート様のフランチャイズ展開もそれがきっかけだったということですね。



■お客様のライフタイムバリューを一つでも多く提供するロードサイドで地域に根ざした経験が新事業の強みに

小浦さん:はい、TSUTAYA様とは17年、ファミリーマート様とは12年前になります。


これまでは一人のお客様に燃料油やカーケア商品を販売していなかった弊社が、お客様のより多くのライフタイムバリューを獲得するにはどうすれば良いのかと模索し始めたときに出会ったのがTSUTAYA様です。彼らは住宅地のロードサイド店を展開、レンタル・CD・DVDでお客様を集客し、違うものを提供することを始めようとしていました。同じ目線を持っていたので一緒にやれるのではないかということで始めまし


日野:ファミリーマート様もTSUTAYA様同様に土地を活かすという発想ですか?


小浦さん:TSUTAYAのレンタル単独店は、当初は50坪前後の店舗が多くありました。弊社が始めた頃は180坪前後の大きさとなり、その後MPSと呼ばれる時代になると、最低でも300坪は必要となりました。この10数年の間に顧客ニーズの変化と、それに対する変化対応を目の当たりに経験しました。


その結果、当初に考えていた、生き残るための給油所で扱えるパッケージとしては、規模の問題で別のパッケージを検討する必要があると判断しました。そこで考えたのがコンビニエンスストアでした。


時代を捉え、お客様を呼び込む仕掛けをつくる

日野:小浦グループではTSUTAYA、ファミリーマートを展開するホームライフ事業の他に、車を切り口にしたSS・カー事業を展開されていますね。


小浦さん:2000年に国が様々なことを自由化すると宣言し、実際に保険や車検など車関連の色々な分野が自由化される方針が出されました。それに対応して弊社は、認証工場ではなく指定整備工場を関西圏に3か所建設しました。いまでは年間約6000台の車検をさせていただいています。そして、単に車検だけではなく、通常のメンテナンスサービス、燃料販売、保険販売を含めたトータルサービスを提供できる体制を確立し、新車、中古車の販売に力をいれています。また3年前からは、コスモ石油が「コスモビークルリース」というマイカーリースを始め、弊社も取り扱っています。これにより、お客様は全ての必要コストが含まれて、毎月定額の支払いで車を使うことができるので利便性も高くなり、それまでは中古車しか検討されていなかったお客様が新車をリースで乗られるようになるケースが増えています。それに対応して、少しでも安く新車を購入していただけるように、トヨタや日産など殆どの国産メーカーの車を、特選価格でお客様に紹介する「バリュータス」という新車販売ブランドを立ち上げました。これにより、新車・中古車をより安く、しかも通常のメンテナンスを指定工場とガソリンスタンドネットワークで提供する、一体型のサービス提供を行えるようになりました。


TSUTAYA貝塚26号線店 書籍
TSUTAYA貝塚26号線店 書籍

日野:ちゃんと時代を捉え、一歩先を常にキャッチされておられますね。前職がお医者様という、異業種から入ってこられた目線をお持ちだからでしょうか。


小浦さん:それはどうでしょう、自分ではわからないですね。僕がよかったなと思うのは、TSUTAYAの増田宗昭社長とお会いして「TSUTAYAはレンタル屋ではない、企画会社だ」という話を聞いたときです。増田社長は、まずはお客様を呼ぶ、そのあとに個々の店の経営者や店員が考え、変化対応し続けないといけないと言い続けていらっしゃいます。ものを置いて売れる時代は終わりました。店の商品は自分達がお客様に紹介したいものを探してそれを置く、そういう時代になってきました。


日野:このTSUTAYA貝塚26号線店はFC(フランチャイズ)として初めての形態ですよね。本の売場をラウンド型にして、その周辺にその他の物販を置いたり、カフェスペースがあったり。


TSUTAYA貝塚26号線店雑貨
TSUTAYA貝塚26号線店 雑貨


■FCでは初の店舗デザインもカフェスペースもお客様のニーズを聞いて自分達で作り上げた

小浦さん:昨年の12月にオープンしました。蔦谷書店モデルの要素を取り入れた店舗です。


10年、15年先を見据えた業態のトライ、新型バージョンです。直営でもやったことのないことをFCのロードサイド店で始めたわけです。


しかし、弊社はガソリンスタンドを経営していたときと同じで、あくまで地域にこだわり、その場所にあって商圏数キロのお客様が喜ぶものを常に意識しながら販売するものを考えていきたい。言われたものを置くだけではなく、お客様のニーズを聞き、自分達で考える力が大切です。


お客様座談会
お客様座談会

■ハー・ストーリィに期待すること

日野:小浦社長のお考えの中で、私達ハー・ストーリィを必要とされたところをお教えいただけますか。


小浦さん:TSUTAYAの増田社長が言うところの「まずはお客を呼ぶ、そのあとに個々の店の経営者や店員が考え、変化対応し続けないといけない」。これは自身が働く店、商圏のお客様をよく知り、自ら考え企画し店を編集していく力を身につける。そのためには、社員、アルバイトのスタッフを育てることが大切だと考えました。そこでハー・ストーリィさんのお力をお借りしたいと思った次第です。


日野:ありがとうございます。沢山の研修に入らせていただいております。


小浦さん:教育研修に参加した社員やスタッフがこんなに短期間に自主的にこういう店をつくれるようになったことは本当に素晴らしいです。これもハー・ストーリィさんのお力だと思っております。


日野:みなさん、スタッフの方が楽しそうにされていますよね。これまで手を出していいのか、悪いのかわからなかったが、やってもいいのね!という感じです。


小浦さん:社員も同じ事をアルバイトスタッフに伝えていたとは思うのですが、同じ研修を受けたことで、社員もスタッフも一緒だと受け止めてくれたのだと思います。これは内部ではできないことです。こういう研修をベースにしながら、自分達自ら商品を探し出してくる人材を育てていきたいです。


日野:私どももみなさんが育つように、これからも頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。


 

■対談を終えて

小浦芳生社長とは以前に一度、お仕事をさせていただいていました。そのご縁でTSUTAYA貝塚26号線店の改装をきっかけに思い出していただき、再びお声がけいただきました。


石油一筋だったという事業を引き継がれ、今では「生活提案企業」と自ら発信しておられるように多角的な事業をされています。


小浦社長は、感度が高くトレンド情報のキャッチも早い方です。さすが多彩な事業を同時に進められる方の頭の回転はすごい!といつも感動しています。なんと事業を継がれるまで本物のお医者様として医大で活躍だったとお聞きして驚きと納得です。


現在、私たちは、小売店舗事業を中心に、接客研修、店頭陳列サポート、POP技術の研修にも入らせていただいています。また店舗のお客様との懇話会等もお手伝いし、小浦グループのみなさまが、地域のお客様に選ばれるために必要な視点、技術をどんどんご提供したいと思っています。社員、アルバイトのみなさまがみるみる変わる姿はこちらもやりがいがあります。引き続きこれからもお互い情報交換のできるパートナーとして末永くよろしくお願いします。

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