体験者数6万人を突破 自宅から世界へつながる「オンライン体験ツアー」

コロナ以前、日本の海外渡航者数は年間2000万人を超えていた。国民の6人に1人が出国していた日常が一転して、もうすぐ1年半。旅心を思うように満たせない消費者が、いま期待を寄せるのは「オンライン体験ツアー」だ。旅行気分を満喫でき、「ライブコマース」を通じて現地での買い物ができると評判も上々だ。

女性視点ポイント

  1. 独自性にあふれた豊富なツアーメニューを用意する

  2. 海外でのショッピングを楽しめるよう「ライブコマース」機能を駆使する

  3. リアルな海外旅行を体験するため「Port」「Zoom」などの専用ツールを導入する

魅惑のツアーコースが常時1000以上
行きたい場所へ手軽に「行ける」

旅行会社大手の株式会社エイチ・アイ・エスが、「オンライン体験ツアー」をリリースしたのは、緊急事態宣言発令中の2020年4月のこと。現在まで3900以上のツアーを催行し、体験者数は6万人以上にのぼる。(2021年3月末時点)

ますます勢いを見せる同サービスだが、最大の利点はなんといっても「自宅に居ながら旅行に行った気分になれる」ことだ。「緊急事態宣言の中、ご自宅から世界を楽しめる企画として開始しました。当初は中継先の国も外出規制があり、撮影済の写真や映像を活用したセミナー形式がほとんどでした。しかし、規制の解除に伴い、各国のリアルな『今』をお伝えしようと、現地から生中継する形に変えていったのです」と振り返るのは、オンラインエクスペリエンス本部長の八幡正昭さんだ。

八幡さんの指摘通り、「オンライン体験ツアー」はただ観光地の映像を見るだけではない。それぞれのツアーに旅行ガイドが付き、現地から生中継で解説をしたり、観光地の景観を見せたりしてくれる。ツアー中、現地ガイドは参加者からの質問に答えるなど、双方向のコミュニケーションも大切にしている。

興味深いのは、普段は人気観光地に上位ランクインしているビーチリゾートやアジアの国などが、オンライン旅行ではランキング圏外になっている点だ。代わりに参加者が選んだのは、ケニアやエジプトなど、リアルではなかなか足を運べないエリアが多いという。「様々な事情で諦めてしまった旅先も、オンラインなら誰でもすぐに楽しむことができます。オンラインの旅先こそ、より非日常感のある、本当に行ってみたい地域が選ばれているのではないかと思います」と八幡さんは分析する。

ハワイの土産物店「モニ・ホノルル」でのバーチャルショッピングツアー

最大の売りは「オリジナリティ」と
「ライブコマース」

オンライン体験ツアー」では、「Zoom」や「Port」などのコミュニケーションツールを使用する。それぞれのアプリケーションをダウンロードする手間はあるが、それさえ済ませてしまえば、あとは現地とつながる日時を待つだけだ。このサービスで特に注目したいのが、「ライブコマース」を活用したオンラインならではの内容である。たとえば、ハワイの土産物店「モニ・ホノルル」でのバーチャルショッピングツアー。小麦色に焼けたスヌーピーグッズが人気の同店だが、シェラトン・ワイキキホテル内の店舗からライブ中継を行うことで、日本にいる視聴者がバーチャルショッピングを楽しめるようになっている。日本では入手できない貴重なグッズを取り揃え、ツアーコースの体験後は専用フォームから気になる商品を購入可能。後日、国際郵送されてくる商品を手にすることができる。

さらに、常時1000種類以上におよぶ各ツアーコースは、同社だけが用意できるオリジナリティにあふれている。現在までのべ3600名以上が参加した、最も人気の高いコンテンツ「世界一周オンライン体験ツアー」を見れば、一目瞭然である。「これは、HISの海外拠点網を活用したオリジナルの商材です。時差を逆手に、それぞれの国が一番美しく感じられる時間帯で中継を結びました。通常の旅行では10日以上かかる日程を90分で巡るという、オンラインならではの商品に仕上がっています」と八幡さん。「予算の都合や、時間、体力的に難しいなど、さまざまなご事情で海外旅行を諦めた方にも、ネット環境さえご用意いただければお楽しみいただくことが可能です」とイチオシだ。同社はこれ以外にも、ガイドによるツアー進行、ファシリテーションのスキルアップなども同時に進めており、よりよいコンテンツ作りに力を注いでいる。

世界一周オンライン体験ツアー/1.ハワイ(C)Kuu 2.ラスベガス 3.トルコ 4.インド 5.ケニア

他にはない強みで勝負する

そうはいっても、競合他社が同様のサービスを次々と展開しているなか、差別化をうまく図らなければ、あっという間に利用者が離れてしまうだろう。しかし、八幡さんはたじろがない。「海外63カ国に広がる支店と協力し世界中あらゆる地域の商品を作り出していること、そして、観光ツアーだけでなく、スキルシェアの体験モノ、中継を通じ現地で直接買い物ができるライブコマースなど、複数の軸で展開している点でも対策を練っています」と語ってくれた。

コロナの感染状況がなかなか終息しないなか、オンラインツアーへのニーズはますます高まっていくと考えられる。旅行を楽しみにする利用者の期待に、今後どのように応えていくのだろうか?

「参加者からは、よりリアル感を感じられる旅先や、行きたくても行けなかった場所、見るだけでなく食などを含めた五感で感じるツアーなどのご要望もいただいています。それらをふまえて、近い将来、現地の特産品などを事前に利用者宅に届けるなどサービスの拡充や、宇宙を身近に感じられる企画などが実現できないかなど計画を練っています。」

「大辞泉」によれば、旅行とは「住んでいる所を離れてよその土地を訪れること」だという。そんな当たり前の概念が、グルリとひっくり返る日がもうそこまで来ている。

株式会社エイチ・アイ・エス
オンラインエクスペリエンス本部
本部長 八幡正昭 様

〒105-6905 東京都港区虎ノ門4-1-1神谷町トラストタワー5階
■事業内容 : 旅行事業、テーマパーク事業、ホテル事業、エネルギー事業など
■売上実績 : 4302億円(2020年10月期連結業績)
■創業 : 1980年12月

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