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Z世代攻略のカギはSNSとヒアリング!現役女子大生と手掛ける新宿泊プラン「サプライズ バースデーパーティープラン

Z世代攻略のカギはSNSとヒアリング!現役女子大生と手掛ける新宿泊プラン「サプライズ バースデーパーティープラン

Z世代攻略のカギはSNSとヒアリング!現役女子大生と手掛ける新宿泊プラン「サプライズ バースデーパーティープラン

2021年7月10日

女性視点マーケティング

女性トレンド総研

東京ディズニーリゾート®のパートナーホテルとして知られる「オリエンタルホテル 東京ベイ」。一年を通じてファミリー層でにぎわう同ホテルに、前例のないプランが登場した。その名も「サプライズ バースデーパーティープラン」。現役の女子大生たちが練った、Z世代向けの宿泊プランに注目が集まっている。



女性視点ポイント


  1. Z世代のニーズを知るには直接ヒアリングを重ね共に創る

  2. 世代の違う意見やアイデアも柔軟に受け止める

  3. Z世代へのプロモーションにはInstagramを有効活用する


 

目次


1.「あったらいいな」を形にした新プラン

2.緊急事態の中、重ねたミーティング

3.告知のメインはInstagram

 

■「あったらいいな」を形にした新プラン


バルーンセットでバルーンの飾り付けをする様子
バルーンセットでバルーンの飾り付けをする様子

昨年、創業25周年を迎えたオリエンタルホテル東京ベイは、国内で20ホテルを展開する、株式会社ホテルマネージメントジャパンが運営している。JR京葉線「新浦安駅」に直結し、東京ディズニーランド®や東京ディズニーシー®とは、専用のシャトルバスで15分の距離だ。その立地の良さや開放的なホテルの雰囲気は、創業以来根強い人気を誇っている。


家族向けやベビー向けなど、すでに多彩な宿泊プランがそろう中、この春、同ホテルは新たにZ世代に向けた新プランをリリースした。「サプライズ バースデーパーティープラン」だ。同ホテルで初めてZ世代に特化したプランを販売した理由として、管理部マーケティング課の一戸直子さんは「今後、影響力のある購買層になる可能性が高いからです。また、当ホテルではこれまで若年層向けの商品がなかったのと、コロナ禍で春休みの卒業旅行を諦めざるを得なかった学生をぜひ応援したいという気持ちがありました」と語ってくれた。


1日2室限定の同プランは、「一年の中で最も大切な友達の誕生日を忘れられない一日に」と掲げているように、宿泊者が誕生日を祝うためのさまざまな工夫が凝らされている。


主役よりも先にパーティーの準備を始められるようアーリーチェックイン(13時~)を取り入れ、自分たちで膨らませて飾り付けができるバルーンセット、パーティーの最中に思い思いの写真を撮るための「ブルートゥース付き自撮り棒スマホ三脚」の用意など、まさに至れり尽くせりである。こうした全てのアイデアは、Z世代である現役女子大生たちの「あったらいいな」を採用したものだという。


ブルートゥース付き 自撮り棒スマホ三脚
ブルートゥース付き 自撮り棒スマホ三脚



■緊急事態の中、重ねたミーティング

今回プラン作りに参加した女子大生たちは、「Z世代トラベルプロジェクト」に所属するメンバーだ。同プロジェクトは、旅好きの女性コミュニティを活用してさまざまなサービスを展開する、バリーズ株式会社のアクションプログラムで、観光を学び、旅行・観光業界への就職を目指す学生たちが活動している。


新プランの準備は2020年9月、一戸さんと学生たちの顔合わせから始まった。2020年内のリリースを目指していたが、コロナ状況の悪化による緊急事態宣言等があり、翌年4月のリリースまでに約8カ月を要した。そんな中、対面やオンラインでのミーティングを重ね、客室試作の際は、客室イメージ、販売価格、利用条件などを協議し、メンバーによる試泊も行ってきた。


準備に時間をかけたとはいえ、これまで消費者の立場だった女子大生たちが、初めて実際の販売プランの作成に携わるのは、ハードルが高くなかったのだろうか?「プラン造成には、予算やスケジュール、オペレーションなど、さまざまな要素が絡んできます。確かに当初はお客様目線の自由な意見が多くありましたが、プラン造成の流れや仕組みを伝え共に創っていくことで、今回の企画を商品として販売する意味を伝えることができました。それ以外にも、できるだけZ世代メンバーの意見を聞き、カタチにするよう努めました」と一戸さん。


Z世代をターゲットにするには、本人たちに直接ヒアリングを行い、アイデアを積極的に取り入れていく柔軟さが大切であるということがよくわかる。



Z世代トラベルプロジェクトのメンバーと客室試作を行う様子
Z世代トラベルプロジェクトのメンバーと客室試作を行う様子



■告知のメインはInstagram

さらに、今回の「サプライズバースデーパーティープラン」で特筆すべきは、そのプロモーション方法である。「デジタルネイティブ」と呼ばれ、中高生の頃からソーシャルメディアに囲まれた環境で育ったZ世代にとって、SNSは欠かすことのできないツールです。特に彼女たちにとっては、Instagramがリサーチのメインツールなので、今回はLINEやメルマガよりも、InstagramでのPRに重点を置いています」と一戸さん。当然、Z世代に特化したPR手段を鋭く分析している。


今回の新プランについては、Instagramの他にも、ホテルの公式サイトやTwitter、LINE、プレスリリース配信などを通じて、メディアへのPRも積極的に行っている。そのかいがあってか、ターゲットとしている20代のグループなどを中心に徐々に予約が入り始めているという。


また、Z世代と作り上げた宿泊プランという話題性が注目され、メディアからの記事掲載や取材依頼なども入る。そのたびに、一戸さんは大きな手ごたえを感じている。「今回のプランは販売スタート間もないですが、この経験で得たZ世代の動向や特性などの知見をベースに、再度コラボレーションできる機会があればぜひ実施したいと思っています。」(一戸さん)。将来、大きな影響力を持つ購買層として、各業界から注目されるZ世代。彼らを未来の「お得意様」として巻き込む最大の勝因は、まっさきにその懐に飛び込み、本質を知ったうえで柔軟に受け止めること

―今回の一戸さんの挑戦が教えてくれたことだ。


サプライズ バースデーパーティープラン客室の全体像
サプライズ バースデーパーティープラン客室の全体像


 

株式会社ホテルマネージメントジャパン

オリエンタルホテル東京ベイ

管理部マーケティング課

一戸直子 様

〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 4-1-18 恵比寿ネオナート 4階

■事業内容: ホテル運営および経営

■創業(西暦年月): 2005年8月


 


日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。

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