会員数1万人突破!パン好きが集う「Pasco」のコミュニティサイト

発売から20年を超える食パン「超熟」をはじめ、さまざまなパンや菓子を製造・販売している敷島製パン株式会社(Pasco)。

昨年、創業100年を迎えた同社は、SNSを通じて果敢な挑戦を続けている。
会員数を伸ばし、安定したアクティブユーザーを生み出す勝因はどこにあるのか?

女性視点ポイント

  1. サイト運営者側からの発信・反応をこまめにする
  2. ニックネーム付きの記事掲載など会員同士が切磋琢磨できる環境を作る
  3. サイト内でのアクションに対しポイントを付与して評価する

登録はメールアドレスだけ。
パン好きを魅了する情報を配信

会員数約1万3千人にまで成長したパスコ・サポーターズ・クラブ『Pascoとおいしい時間』

「パスコ・サポーターズ・クラブ『Pascoとおいしい時間』」は、パンと消費者をつなぐコミュニティサイトだ。Pasco(パスコ)商品のファンを作り、その「声」を商品開発やマーケティング活動に役立てようと2003 年に開設した。発足当初は、年に200 名程度の会員を募集し、メールを中心とする非公開組織だった。 誰でも参加できる現在の形になったのは、2018 年2 月から。会員以外のユーザーにも同社の活動をひろく知ってもらい、双方向のコミュニケーションを通じてより多くのファンを作りたいと考えたのがきっかけだった。会員登録はメールアドレスの入力だけで済む簡単なものだ。会員は自分で考案したレシピの投稿や「いいね」ボタンの利用、会員限定キャンペーンや掲示板でのやりとりなど、さまざまなコンテンツを楽しめる。それぞれのアクションに応じて、ポイントが付与される仕組みだ。たまったポイントは、パン皿やジャムなど、パンのある生活をより楽しめるアイテムや、イベントやモニターなどの体験と交換できる。現在同サイトは約1 万3 千名の会員を抱え、Pasco スタッフと会員、さらには会員同士のコミュニケーションの場として、日々活発な交流がなされている。今回のコロナ禍では、同サイトが両者のつながりを強めるのに大きな役割を果たした。「この期間、パスコ・サポーターズ・クラブへの投稿は全体的に増えました。特に新規会員さんからの投稿が増えています」と話すのは、営業DX 推進部デジタルコミュニケーショングループの髙田加弥さんと林さくらさんだ。コロナ禍で思うように外出できないなか、会員たちはこのコミュニティサイトを普段以上に楽しみ、情報交換の場として積極的に活用しているという。

サイトの根幹を支える公認アンバサダー

同サイトは、利用会員が編み出した独自レシピ「Pascoでつくってみた」への投稿や、Pasco商品の枠を越えてパン全般について自由に発言できる掲示板「パントークカフェ」など、会員たちからの豊富な話題やアイデアで日々盛り上がっている。特に、週末は200~300件、多い時には500件近くのコメントが行き交う。 

また、会員だけの一方通行ではなく、Pascoスタッフから発信する記事も興味深い。ベーカリーへの訪問記「パン屋さんめぐり」や、パンを楽しむためのモノづくりに励む企業訪問記「パンと○△□のある生活」など、普段なかなか聞く機会のない企業側の裏話なども盛り込んでいる。1週間に2~3本は新しい記事をアップしており、会員たちに飽きずに楽しんでもらえるようサイト作りへの努力を欠かさない。「会員からの投稿はすべて事前にチェックし、コメントや『いいね』をするなど何らかの方法で反応するよう心がけています」と林さん。これらの作業は、たった数名のPasco スタッフでこなしているというから驚きだ。

オンラインイベントやグループインタビューなどは会員の生の声を聞く貴重な機会となっている

さらに、同サイトに鮮やかな彩りを添えているのは、応募倍率約20 倍を突破した「Pasco 公認アンバサダー」たちだ。彼らもやはり独自レシピを積極的に投稿しているが、レシピ・写真ともにそのクオリティは驚くほど高い。料理が苦手な人でもすぐに真似したくなるような、シンプルかつ個性的なレシピがいくつも紹介されている。写真の見せ方もいい。どうすれば料理がおいしそうに撮れるのか、盛り付け方やコーディネートをよく研究している。「こちらで指導をしているわけではありません。私たちも会員の皆様のすてきな投稿を参考にさせてもらうこともあります」(髙田さん)。さらに「アンバサダー応募の大前提となるのが、パンやPasco 商品への愛が深い方と決めています。そしてパスコ・サポーターズ・クラブへ月3 回以上投稿いただけることを応募条件としています」とのこと。この言葉を裏付けるかのように、アンバサダーたちはお互い切磋琢磨しながら、定期的に記事を投稿し、サイトのレベル維持に大きく貢献している。

アンバサダーの必須条件には含まれていないが、彼らはInstagram(インスタグラム)や Twitter(ツイッター)の個人アカウントを通じて、Pasco の新規記事を紹介したり、同社サイトにリンクを貼って「援軍」してくれることも多い。こうしたうれしい「後押し」を利用して、同社でもキャンペーン告知などの際はInstagram のストーリーズに情報を流し、PR に努めている。

会員に投稿してもらうだけでなく、スタッフによるピックアップに掲載するなど双方向のコミュニケーションを心がけている

オンラインイベントで可能性を広げる

さまざまなコンテンツでファンたちと絆を深める「パスコ・サポーターズ・クラブ」だが、その根底に流れるのは「パンが好き!」という共通の想いだ。会員とPasco スタッフたちの、パンに込められた純粋な想いが居心地の良いサイト作りを実現している。

しかし、終息が見えてこないコロナ禍で、サイトの運営も日々変革を迫られている。今後はどのような展開で、利用者の期待に応えていくのだろうか? 「『新商品試食会』を定期的に実施したり、工場見学をライブ配信するなどオンラインイベントを充実させていこうと考えています。参加人数の制限など難しい面もありますが、対策を模索中です」と語るのは林さんだ。

また、髙田さんいわく「サイト会員が1 万人を超えてきたあたりから、お客様の声がしっかり届くようになってきました。今まで以上に社内ではこの『声』を重視して、商品開発やサービス改善に大いに役立てていきたいと考えています」とのこと。

確かに、同サイト内で公表されているアンケートは会員からの回答率が約10%(約1,000 件)であり、リアルな消費者の声としては十分な数を満たしている。会社としても大きな期待を寄せたくなるだろう。

貴重なアクティブユーザーを育て上げたPascoスタッフの苦労はいかばかりか......と思いきや、「私たちも会員の皆様との交流を楽しんでいます」(髙田さん)とニッコリ。

「今回のコロナ禍で状況が激変しましたが、サイトがあったおかげでお客様と引き続きつながりを持てました。新商品を告知するたびに、しっかり反応をしてくれるこの存在は会社としてもとても心強いんです」と話してくれた。

消費者との良い関係を築くため、これからもSNSの活用に前向きな同社。次の100年へとつながる一歩が、今まさに踏み出されようとしている。

敷島製パン株式会社(Pasco)
営業DX推進部 デジタルコミュニケーショングループ
髙田加弥 様(左)林さくら 様(右)

〒461-8721愛知県名古屋市東区白壁五丁目3番地
■事業内容:パン・和洋菓子の製造、販売を主軸に「パンで社会に貢献する」という理念のもと事業を展開。長い伝統に培われた技術力と、新しい価値づくりへのチャレンジ精神で数々のロングセラー商品を生み、「超熟」シリーズをはじめとする多種多様なパン、菓子類を販売し、食べ方提案等を行っている。また、国産小麦の小麦粉を使用し
たパンづくりで、日本の食料自給率向上へ貢献する取り組みを続けている。
■年商:153,965百万円
■創業:1920年6月

女性視点 企業取材一覧

敷島製パン株式会社様

会員数1万人突破!パン好きが集う「Pasco」のコミュニティサイト

株式会社パル様

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