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創業1年で1億円を突破!ホテル・旅館の高級グルメと消費者をつなげる「TASTELOCAL」

創業1年で1億円を突破!ホテル・旅館の高級グルメと消費者をつなげる「TASTELOCAL」

創業1年で1億円を突破!ホテル・旅館の高級グルメと消費者をつなげる「TASTELOCAL」

2021年8月10日

女性トレンド総研

今回のコロナでもっとも影響を受けた業界の1つにホテル・旅館がある。度重なる緊急事態宣言で休業を余儀なくされた結果、2020年の国内総宿泊者数は約50%まで減った。業界全体が悲鳴を上げる中、宿泊施設の名物料理と消費者をつなごうと緊急で立ち上がったのが「TASTELOCAL」だ。



女性視点ポイント

1.新サービスを始めるのにふさわしいタイミングを逃さない

2.「リピートしたくなる」「応援したくなる」サイト作りを意識する

3.SNSを活用して集客につなげる

 

目次


1.営業停止が相次ぐ宿泊施設の声がきっかけ

2.「リピートしたくなる」「応援したくなる」サイト作りを意識

3.名物料理を通じて心を通わせ合う

 

■営業停止が相次ぐ宿泊施設の声がきっかけ

TASTELOCAL」は、高級宿や一流ホテルのグルメを消費者に販売するサイトだ。「地域のごちそうを、食卓で」とサイト内で掲げている通り、日本全国から集めたとっておきのグルメ商品が400点以上並ぶ。


「創業のきっかけは、当社代表が全国のホテル・旅館のお世話になった方々に連絡をしていたところ『コロナで困っている』というお声を多く聞いたことです。緊急事態宣言を受けての営業停止で、売り上げが大幅に落ち込んでいるのを知り、ホテル・旅館の名物料理を販売できるサイトを立ち上げようと考えました」と語るのは、株式会社TasteLocalの事業責任者である篠原諒さんだ。


前職で宿泊予約サービス「Relux」の代表を務めていた同社代表の篠塚孝哉さんは、仕事柄、各地のホテルや旅館との関係が深かった。今回のコロナ禍で現場の苦しい状況を知ったとき、1つのアイデアがひらめいたという。それぞれの宿泊施設には、長年培ってきた「自慢の味」があり、お土産用にパッケージ化しているところも多い。この売れずに残っている大量の在庫を、自宅の食卓で味わいたい消費者に届けられないだろうか?


そう思いついてからは早かった。篠塚さんの経験と人脈を活用し、「TASTELOCAL」のサイト作りを開始。早々にサービスを開始させた。その期間、わずか1週間。「緊急事態宣言真っ只中の今の時期に立ち上げないと意味がないと考え、スピードを優先今の時期に立ち上げないと意味がないと考え、スピードを優先しました」と篠原さんは振り返る。


このアイデアは、長引く自粛生活に疲弊していた消費者たちを大いに喜ばせた。サービス開始から最初の3ヶ月で、売り上げは数千万円に達し、1年立った現在、その流通額はついに1億円を超えた。


「TASTELOCAL」

■「リピートしたくなる」「応援したくなる」サイト作りを意識

早い段階で成功を収めた「TASTELOCAL」だが、最初から全てが順調だったわけではない。まず、ビジネスパートナーである宿泊施設は、全国各地に広がっているため、緊急事態宣言の中、直接出向いて相談することは難しかった。さらに「最大の課題は、出店側であるホテル・旅館の方に、商品の梱包・発送業務などの慣れない業務をお願いせざるを得ないことでした。電話やオンラインツールで、1軒1軒連絡を取りながら説明していきました」と篠原さん。


そんな中、施設側のモチベーションを高めるために、「某民宿のコロッケが20分で1000個完売した」など別の出店者の成功事例を示し、前向きに検討してくれるよう促していったという。


「もうひとつの課題は、サイトへの集客方法です。今回広告は利用せず、SNS発信とメディア取材のみに絞りました。当社代表のTwitterや公式Twitter、またテレビやWEBメディアの取材を通じて、サイトの名前を一気に広めていったんです」と教えてくれた。


特に気になるのが、昨今これだけグルメのお取り寄せサイトが乱立する中、他サイトとの違いをどのように出したのかという点だ。「一度は利用したくなるようなサイトの設計を意識しました。例えば『TASTELOCAL限定』『コロナ応援』など、応援したい気持ちを高めるような作りにしたんです。次に、リピートしたくなるような仕掛けを考えました。


『朝市』『夜市』で旬の商品を販促したり、BOX企画でオリジナルの詰め合わせセットを販売したりして、利用者がいつ訪れても楽しく利用できるよう工夫しました」と語った。


「リピートしたくなる」「応援したくなる」サイト作りを意識

1.但馬玄牛すじコロッケ

2.生キャラメル

3.手毬寿司

4.TASTELOCALへ出店している島根県にある「皆美館」


■名物料理を通じて心を通わせ合う

利用したくなるサイト」「リピートしたくなるサイト」という2つの着眼点が功を奏し、今「TASTELOCAL」は、出店側と利用客をしっかりつなぐ貴重なパイプになり始めている。「サイト内で商品注文をする際、宿泊施設側へ届く応援メッセージを記入する欄があります。初めて注文されるお客様の半数近くが、『落ち着いたら泊まりに行きたい』『行ってみたい宿の商品が食べられてうれしい』などうれしい言葉を寄せてくれています。


また、店舗の方からは、『励みになる』『まだお越しいただいたことのない方に知っていただけてうれしい』というありがたいお声もいただいています」と篠原さん。名物料理を介して、利用客と出店側の心が歩み寄っているのがよくわかる。


コロナの影響が続く中、2年目のサイクルに入った「TASTELOCAL」だが、今後はどのような展開を見据えているのだろうか?「『地域のごちそうを自宅で食べられる』『ここでしか手に入らない』ことを価値にしてもらえるサイトを目指したいです。その一つとして、TASTELOCALとの限定コラボ商品の開発などにも力を入れていきたいですね」。


篠原さんの夢は大きく膨らむ。「先日、関東圏に物流倉庫を構えたので、今後は送料負担の軽減や、発送日のタイムロスの軽減が期待できます。利用者のリピート率を上げるきっかけになればうれしいですね」。

安心して旅行に行ける日が来たら、まずはあの宿の、あの料理を食べに行きたい。そんな明るい希望を抱かせてくれるのも、「TASTELOCAL」の持つ魅力なのかもしれない。


株式会社TasteLocal

事業責任者

篠原諒様

東京都渋谷区桜丘町16-12桜丘フロントビル2F

■事業内容:地域のホテル・旅館・飲食店の高級グルメEC『TASTELOCAL』

■年商:非公開

■創業(西暦年月):2020年4月10日




日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


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