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女性は、木の実を拾うように商品を探し、商品を見ながら場面を想像した買物をする

秋も深くなりました。紅葉も楽しみな季節です。女性と秋は切ってもきれない?季節。
動物たちが冬眠前に木の実を求めるように、女性たちは栗、かぼちゃ、芋に目がありません。
そして木の実を拾うように街を、店を、サイトを楽しみます。

目次[非表示]

  1. 1.女性は、まるで木の実を拾って歩くような購買行動をとる
  2. 2.男女ともに買物は目的買いが基本。でも女性には出会いの売場も大切
  3. 3.女性の脳は左右が連携している。「あ、そういえば」と寄り道が起こる
  4. 4.男性の買物は、目的のモノを「比較検討」して最高の逸品をゲットする!
  5. 5.女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している
  6. 6.男性の買物はBUY(目的買い)、女性の買物はSHOPPING(回遊買い)
  7. 7.女性同士の買物は長く、男女ペアの買物は短くなる傾向がある
  8. 8.今月号の女性視点マーケティングのポイント


女性は、まるで木の実を拾って歩くような購買行動をとる

女性をみていると、まるで木の実を拾うような購買行動をとる。「寄り道」を好むといったほうがいいだろうか。よく女性の買物は長い、という話が出ることがある。実際にスーパーマーケットの中を男性と女性があるくのを時間で測ると、男性は6分間、女性は、3時26分だった、という図がネット上で、拡散されていたことがある。また、「妻と買物にいくと、さっき行った店に、もう一度、戻っていいか、といわることがあるが、正直、あの行動がよくわからない」と妻の行動を不可解だと聞いてきた男性がいる。(これはよく聞かれる質問の一つだ)なぜ、女性たちの買物は、木の実を拾うように、あちこち見て歩くのか。これは、本能的な行動に起因する。

女性は、妊娠、出産、子育てをする期間、行動範囲狭くなる。そんな期間でも、身近な場所で、情報を拾って、楽しめるようにできている。行動範囲が狭くても、ストレスにならない暮らし方を身につけている。楽しみを見つけることが得意にできている。

「そのカバン、かわいい」
「イヤリング、素敵ね」
「ネイル、秋らしいわー」

朝、職場に女性たちが集まると、即座にこんなあいさつでコミュニケーションを交わしている。身近な視界の、他人の姿をパッと見て持ち物や髪型や服装や表情などを読み取る。


男女ともに買物は目的買いが基本。でも女性には出会いの売場も大切

小売店をアドバイスするとき、女性のお客様には、通常の「目的買いとしての売場」とは別に、「新しい出会いを提供する立ち寄り場」を考えていく。予定にはなかったけど、思わず買っちゃった!を起こす足止め場。ときには、「これ、お母さんに買っていこう」となるし、「あ、ママ友会で配るのにちょうどいい」と考えて予定外のものを拾っていく。店舗は、女性にとって、移ろいゆく、美しい野原だ。商品は、葉や花や木の実だ。今、一番、美味しいのはコレ!と自信をもって旬やトレンドを押してほしい。


女性の脳は左右が連携している。「あ、そういえば」と寄り道が起こる

男女では、目の前のモノや情報を認識する脳が違う。女性脳は「右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)が頻繁に連携し、直感が働く脳」だ。男性は、頻繁に行き来はしない脳なので、目的が明確ならそれをしっかりと達成することに集中する。女性の「行き来する脳」の神経線維は、数センチから1メートルを超えるといわれるぐらい長い。目の前のモノを見ながら頭の中でぐるぐると様々な情報や記憶をたどる。そして「あ、ついでに」「あ、そういえば」が起きて「寄り道」が起きる。「寄り道」といっても当の本人からしたられっきした「思い出した目的買い」だ。

男性の買物は、目的のモノを「比較検討」して最高の逸品をゲットする!

脳の情報の行き来がが働きにくい男性脳は、女性とちがって「比較検討」で商品を選ぶ。このため、「寄り道」は不要だ。また、太古の昔、長い間狩りが役割だった男性脳は「最短距離と時間で、最大の成果を上げたい」と考えるため、一直線に目的の売り場に行きたがる。つまり男性の買物は、目的の売場に早く到達して、できるだけ多くの類似品、代用品を見て比較検討し、そこから秀逸のモノを自らの見解で選ぶことに快感を持つようになっている。

女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している

男性から見ると女性の買物はなぜあんなに長いのか、と思わることがあるかもしれないが、女性にとっての買物は、そのあとに必要なモノを忘れていないか、このあとに会う人たちに必要になるモノはないか、など商品を見ながら想像を最大限に膨らませて、見ているため「出会い」によっては、「あ、これはあのときにいいかも」となるのだ。

買物をしている時間だけを考えると、「時間の無駄」「賢くない買い物の仕方」に見えるかもしれないが、女性の買物はその場の効率ではなく、その後の日常における効率を考えているためだ。


男性の買物はBUY(目的買い)、女性の買物はSHOPPING(回遊買い)

1.男性の購買行動はBUY(目的購入)

目的買いに一直線。買物には、目的のモノをベストチョイスする探索力と、確実に獲得するスピードが重要。高品質、高性能なモノを最高の条件でゲットすることに注力する。自分で調べて、比較して、購入を決定するため他人のクチコミなどにも影響されない。
「買物=戦利品の獲得」のような行動


2.女性の購買行動はSHOPPING(回遊購入)
 回遊買いを好む。

よい商品を買うための合理的な左脳と、「うれしい」「楽しい」という情緒的な右脳を同時に重視している。女性たちの脳は、買物に来た(左脳)から、せっかくなら出会いを楽しみたい(右脳)と考えている。とはいえお財布の紐は緩くはない。木の実を見つけるように商品を眺めたら、「ちゃんと食べられるの?」「本当に美味しいの?」「上手に使えるかな?」などと購入後の失敗は避けたいため、友達の評判やネットのクチコミ、店頭でのPOPや購入者の感想などが判断材料になる。
買物の背中を押すのは、
「旬」「今が買い時」「今が熟れ時」か
女性にとって季節はとても大切な判断材料。旬のモノ=美味しい時期と判断しやすい。また、女性の体はそのものにカレンダーサイクルが働いている。月経という月単位の身体の変化は、匂い、雰囲気、手触り、触感などの五感を働かせて、今食べるモノ、気分転換できるコトを探す。今年のクリスマスケーキはどこで誰とどんなケーキがいいかな、どんな気分だからどうしようかな、なんて先々のことを想像していく。
計画性がないように見える閃きや思い付きの買物には、女性ならではの意味がある訳だ。寄り道が楽しくなる買物を今年もしっかり提案していこう。
コロナ禍で、買物時間が短くなっている、目的買いが顕著になっている、といった調査データも増えていまるが、それでも、だからこそ落ちている気分の今年の冬は、「わくわくする出会い」を待っている。(データはHERSTORY調べ)





女性同士の買物は長く、男女ペアの買物は短くなる傾向がある

ドラッグストア研究会のアメリカ視察レポートの中に面白い報告があった。最近の米国の小売業では男性客対策が重視されているというものだ。その理由は、女性の買い物時に男性の同伴者がいると女性の買い物時間が短くなる傾向があるためとしている。いかに男性も楽しませて女性の買物を長くさせるか。この対策は興味深い。




今月号の女性視点マーケティングのポイント

P O I N T:女性は木の実を拾うように商品との出会いを探す。

P O I N T:女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している。

P O I N T:女性の買い物は長く、男性同伴は短くなる傾向がある。


今年もいよいよ年末商戦。ポジティブな話題が少なかった今年だからこそ、おうち時間、家族時間、少数グループ時間を大切にして盛り上がりたい、気分をあげたい女性心理があふれています。木の実をしっかり用意して、「あ!」と出会いをたくさん用意してほしい。



▼本記事の関連する女性消費者動向レポート

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日野佳恵子
日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。

2021年5月キーワードは「新世代女性の購入スタイル|私仕様が欲しい!パーソナライズ消費」!

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