伊勢丹新宿店での「フェムテック展示」仕掛け人 センシュアルな暮らしへ 女性の内側からの“潤い”をサポート
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伊勢丹新宿店での「フェムテック展示」仕掛け人 センシュアルな暮らしへ 女性の内側からの“潤い”をサポート

伊勢丹新宿店での「フェムテック展示」仕掛け人 センシュアルな暮らしへ 女性の内側からの“潤い”をサポート

伊勢丹新宿店での「フェムテック展示」仕掛け人 センシュアルな暮らしへ 女性の内側からの“潤い”をサポート

2021年6月10日

女性消費者行動

女性トレンド総研

フェムテック市場が活況を呈しつつある今、この盛り上がりがブームで終わらず、女性が自分自身の体に向き合う機運をうみ出せれば。そう語るのは日本における植物療法の第一人者で、長年にわたりデリケートゾーンケアの大切さを啓蒙している、株式会社サンルイ・インターナッショナル/株式会社Waphyto代表の森田敦子氏。

「女性の内側」の大切さを伝え続けることの真意について伺った。



株式会社サンルイ・インターナッショナル/株式会社Waphyto

代表 森田敦子

フランス国立パリ13大学で植物薬理学を本格的に学び、帰国後、植物研究に基づいた商品とサービスを社会に提供するため、デリケートゾーン&パーツケアブランド「アンティームオーガニック」の処方・開発や、「ルボア フィトテラピースクール」を主宰。2020年、女性の一生をサポートするトータルライフケアブランド「Waphyto」を立ち上げる。私生活でも42歳で自然妊娠・出産。著書多数。

 

目次

1.センシュアルな女性へフェムテックでサポート

2.植物療法の実践で体調回復良さを日本で伝えるため起業

3.広がるフェムテック市場ブームではなく、定着へ

4.大事な場所をケアすること恥ずかしがらず、大切にして

5.インタビュー

 

■センシュアルな女性へフェムテックでサポート


伊勢丹新宿店 本館1階にて行われたイベントの様子
伊勢丹新宿店 本館1階にて行われたイベントの様子

今年3月、伊勢丹新宿店との共催で「フェムテック」をコンセプトとする期間限定イベントを本館1階で開催、そのキュレーションをさせていただきました。「センシュアル・ライフ~わたしと向き合い、あなたとつながるフェムテック~」というタイトルで、表面的な“セクシー”ではなく、内側から魅力がにじみ出るようなセンシュアルな女性をめざすことを提案するもので、国内外の42ブランド155アイテムを展開。海外のフェムテックブランドの輸入代理などを務めるアジュマ代表・北原みのり氏をはじめ、日本の専門医やフランスの性医学の権威など多くの方々からご協力、共感をいただきました。


イベントではフランスで学んだフィトテラピー(植物療法)やセクソロジー(性科学)を軸に、生理・妊娠・更年期など様々なライフステージで心と体が大きく変化する女性たちが、フェムテックを通して、より心地よく自分自身と向き合うことの大切さを提案しています。日本ではタブー視されていたり、自分だけで課題を抱え込みがちなこの分野の話を、パートナーや家族など、まわりとオープンに話せる環境をつくっていきたいという想いから、ケアアイテムにとどまらず、気持ちやセンシュアリティ、コミュニケーションにまでアプローチすることをコンセプトに製品をセレクトしました。


女性特有の悩みや課題を解決することだけでなく、女性がそれぞれのライフステージで輝き続けるためにサポートをする全てのモノ・コトこそが本当のフェムテックだと考えています。







■植物療法の実践で体調回復

 良さを日本で伝えるため起業


私がフィトテラピーを学んだのは、航空会社の客室乗務員の仕事について1年後、呼吸器系の大きな病気をしたことがきっかけでした。強い薬の服用による副作用やアレルギー性皮膚炎に苦しみ、体質改善のために試行錯誤していたとき、フランスの友人がフィトテラピーを教えてくれました。植物の薬理効果を利用し、人が本来持っている自然治癒力を高める学問を学ぼうと、思い切って退職してフランスへ。植物療法はパリ13大学の医薬学部で専門課程に位置づけられていて、生理解剖学や婦人科、皮膚科、薬学などを総合的に学びます。薬草の取り入れ方や日々の食事や細胞レベルでの体の仕組みまで勉強し、体を内側から整えてあげることで、細胞や粘液、粘膜はつくり直せることを学べたのは大きなことでした。私自身、大病をした時に医師から妊娠は難しいと言われていましたが、食事や生活習慣を整え、学んだことを徹底して実践するうちに体調が改善。後に、肌も髪も体の調子も戻り、42歳で自然妊娠、出産し、自分を大切にすることを身をもって実感しました。


4年間のフランス滞在で実感したフィトテラピーの素晴らしさを日本に伝えようと、20年前に帰国して植物療法に基づいた商品とサービスを提供する会社を立ち上げました。2003年には柿から抽出した抗菌液の研究が評価され、第2回日本バイオベンチャー大賞の近畿バイオインダストリー振興会議賞を受賞。バイオベンチャーとして科学的根拠を持った製品の研究開発に取り組んできました。


その後、学びの場となる植物療法の学校「ルボアフィトテラピースクール」を開校し、「アンティームオーガニック」の発売をスタート。伊勢丹新宿店でお取り扱いいただいたことをきっかけに、たくさんの方がデリケートゾーンの悩みを抱えていることや共感の声をいただきました。



デリケートゾーンを理想の状態を保つために設計された「Intimate」。こだわりの日本製で、自然由来成分が95%以上配合されている。会場では森田氏がセレクトした女性の内側をケアする製品が多数紹介された。
デリケートゾーンを理想の状態を保つために設計された「Intimate」。こだわりの日本製で、自然由来成分が95%以上配合されている。会場では森田氏がセレクトした女性の内側をケアする製品が多数紹介された。


■広がるフェムテック市場ブームではなく、定着へ


ヨーロッパではフェムテック製品が普通にデパートや薬局に並んでいます。日本ではこれまで恥ずかしいものといった扱われ方をされてきましたが、近年はAIなどを活用したフェムテックの市場が広がりつつあります。これがブームやトレンドという一過性のものに終わらず、女性自身が自分の体を大切にし、パートナーとお互いを大切にする気持ちを高める考え方が定着していくよう願っています。


働く女性が婦人科系疾患を抱えていたり生理前後の痛みや不快、体調不良などによる医療費支出と生産性損失が年間6兆円に上るという数値が発表※されています。その解決には、単に生理休暇を作ればいいといったことではなく、男性の働き方に合わせた社会のあり方の変化や、パートナーたちの理解が不可欠です。


女性のからだは、女性ホルモンの影響を大きく受けて揺らぎ、年齢やライフステージによって様々な体の変化があるので、その時々に必要なケアは変わります。中でも、繊細で重要な働きをするデリケートゾーンのケアは最も重要なのです。


※日本医療政策機構などによる「働く女性の健康増進に関する調査」(2016年発表)



■大事な場所をケアすること

 恥ずかしがらず、大切にして


性科学は恥ずかしいことではなく、正しく知れば自分の体を守ることができます。女性の体の大事な場所をケアする大切さについて伝える自著『潤うからだ』を2017年に発刊しました。自分の体をケアをすることは自分をいたわってあげることであり、それによって幸せな気分になればパートナーや家族にも幸せが広がります。人生100年時代と言われる今、歳を重ねても美しくあるために、外見だけでなく、内側からも潤いのある体を保てるよう、女性たちは自分の体を大切にし、いたわってあげて欲しいと思います。



■インタビュー


Interviewer 株式会社ハー・ストーリィ 代表取締役 日野 佳恵子
Interviewer 株式会社ハー・ストーリィ 代表取締役 日野 佳恵子

ここのところ一気に盛り上がってきた感のあるフェムテック分野。2020年が日本の元年といわれているため、まだまだ一般、とくに大人女性には認知が低いのではないかと思っていた。が、あの伊勢丹新宿店フェムテックのイベントが開催されていると聞いて出かけた。驚いたのは、一階の一等地。メインといえる入口近くの場所でイベントが開催されていたことだ。ここまでフェムテックが注目を浴びているのか、と強く感じた日だ。イベントのキュレーションを担当した森田敦子さんは、フェムテックという言葉がここまで広がるずっと以前から、女性自身が自分の体に関心をもってほしい、と提唱し、実践してきた第一人者だ。彼女のような専門家が、これからフェムテックブームを一過性ではなく、本物へと淘汰していくためにもどんどん表舞台に出ていただきたいと心から思った。大手調査会社は、「世界のフェムテック市場は、2027年までに530億ドル(約5兆7000億円)規模まで成長する」と見立てている。参入が増えていくことが見えているだけに、優しい口調で、「性科学は恥ずかしいことではない」と語り続けてきた森田さんの存在そのものが、これからの日本に希少な方と思った。ご活躍を引き続き応援します。




 


日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。

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