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その魚はどこからきたの?限りある水産資源。持続可能な漁業と食生活

女性視点にはサステナビリティはこれから外せないテーマ。暮らしを通じて地球環境や社会に役立つ自分でありたいと思う女性たちの意識は年々上昇している。そうした視点をビジネスの現場に先行して取り入れている海外事例をよく知る安並氏に、現地レポートからヒントをいただきます。

目次[非表示]

  1. 1.漁獲量が年々減少、食卓から魚が消えるかも…
  2. 2.国際認証MSCとASCを知っていますか?


漁獲量が年々減少、食卓から魚が消えるかも…

今回は、魚の話。皆さんも週に何度かは食事で魚を食べることと思います。お刺身、お寿司、煮魚に焼き魚と調理方法は多様。栄養価も高く、タンパク源として人間にとって、とても大切な食材ですね。魚の他にも様々な水産資源があり、外食や食卓を彩ります。ところで、その魚はどこでどのように捕られたものでしょう。漁業には様々な方法があり、近海や遠海、養殖、そして遠い国から輸入されるなど、食卓に届くまでのルートも様々です。

近年、日本の漁獲量が大幅に減少しています。1984年の漁獲量(養殖含む)は約1281万トン、2019年は416万トンと7割減。これは食生活の変化で需要が減ったこと、漁業離れ、そして水産物自体が減ったことに由来します。一方、健康志向で魚を食べるようになった国が増えたこと、人口が増加する国々では、食材を確保するために遠洋にでかけ乱獲をする事態も頻発しています。ニュースでもよく取り上げられ、水産資源の激減の要因とされています。

スウェーデンのスーパーの鮮魚売り場。ほとんどがMSC、ASC認証の商品となっている


国際認証MSCとASCを知っていますか?

さて、このような状況において、大切な水産資源を守っていくためにはどうすればよいのでしょうか。国際的にも水産資源を守ろうとする動きが近年活発になり、SDGsでも目標14番目に掲げられているのが「海の豊かさを守ろう」です。1997年、英国において海のエコラベルMSC(Marine Stewardship Council 持続可能な漁業の原則と基準)が起案され、1999年その認証が始まりました。また、2010年には養殖のエコラベルASC(Aquaculture Stewardship Council)という国際認証制度がスタートしています。水産資源はあくまで生物。その繁殖や成長を超える量を捕ってしまえば、いずれは枯渇し、食卓に届かなくなってしまうかもしれません。日本では、実に捕った魚の約三分の一が廃棄されています。そこで、持続可能な範囲での漁業を行い、過剰な漁獲を防ぎ、水産物を守っていく取り組みが必要不可欠なのです。スウェーデンのスーパーの鮮魚売場や加工食品コーナーを見ると、MSC認証やASC認証を得た魚や加工食品がずらりと並んでいます。海に囲まれた日本においては、魚は安く大量に捕れるものと意識されていますが、実は水産資源の現実は年々厳しくなっています。事実、乱獲によって漁獲量が激減してしまったサンマやイワシは今や高級魚。乱獲だけではなく、気候変動による海流の変化にも原因があるとされています。

スウェーデンの国民食、チューブに入ったKALLES(キャビア)もMSC認証取得済み


日本のスーパー「イオン」でもMSC、ASC認証の商品が見られるようになった


鮮魚だけでなく、加工品にも認証マークが。認証商品を選ぶことが水産物保護につながる


今後も変わらず、おいしい魚や水産物を食べていくためにも、持続可能な範囲で捕れたものをいただかなければなりませんね。また、気候変動を意識した食生活も大切です。大手スーパーイオンの鮮魚・水産加工品売場には、MSC認証・ASC認証のマークが目立つようになりました。是非、優先して認証を受けた魚や商品を買っていただきたいと思います。


▼本記事の関連する女性消費者動向レポート

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安並 潤
安並 潤

井関産業株式会社 代表取締役社長 容器包装資材の販売、セールスプロモーション事業などの展開を行う中で、サステナビリティを経営のベースとし、経営革新とイノベーションに取り組む。北欧スウェーデンを中心に、サステナブルな仕組み、モデル、商品開発、 行政、教育機関、都市計画をベンチマークし、自社の経営に取り入れる。

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