その魚はどこからきたの?限りある水産資源。持続可能な漁業・養殖業
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その魚はどこからきたの?限りある水産資源。持続可能な漁業・養殖業

その魚はどこからきたの?限りある水産資源。持続可能な漁業・養殖業

その魚はどこからきたの?限りある水産資源。持続可能な漁業・養殖業

2021年1月10日

女性視点マーケティング

女性トレンド総研

女性視点にはサステナビリティはこれから外せないテーマ。暮らしを通じて地球環境や社会に役立つ自分でありたいと思う女性たちの意識は年々上昇している。そうした視点をビジネスの現場に先行して取り入れている海外事例をよく知る安並氏に、現地レポートからヒントをいただきます。


 

目次


1.漁獲量が年々減少、食卓から魚が消えるかも…

2.国際認証MSCとASCを知っていますか?

 

■漁獲量が年々減少、食卓から魚が消えるかも…

今回は、魚の話。皆さんも週に何度かは食事で魚を食べることと思います。お刺身、お寿司、煮魚に焼き魚と調理方法は多様。栄養価も高く、タンパク源として人間にとって、とても大切な食材ですね。魚の他にも様々な水産資源があり、外食や食卓を彩ります。ところで、その魚はどこでどのように獲られたものでしょう。漁業には様々な方法があり、近海や遠海、さらに養殖、そして遠い国から輸入されるなど、食卓に届くまでのルートも様々です。


近年、日本の漁獲量が大幅に減少しています。1984年の漁獲量(養殖含む)は約1281万トン、2019年は416万トンと7割減。これは食生活の変化で需要が減ったこと、漁業離れ、そして水産物自体が減ったことに由来します。一方、健康志向で魚を食べるようになった国が増えたこと、人口の増加などから、過剰漁獲も頻発しています。ニュースでもよく取り上げられ、水産資源の激減の要因とされています。



スウェーデンのスーパーの鮮魚売り場。ほとんどがMSC、ASC認証の商品となっている
スウェーデンのスーパーの鮮魚売り場。ほとんどがMSC、ASC認証の商品となっている


■国際認証MSCとASCを知っていますか?

さて、このような状況において、大切な水産資源を守っていくためにはどうすればよいのでしょうか。国際的にも水産資源を守ろうとする動きが近年活発になり、SDGsでも目標14番目に掲げられているのが「海の豊かさを守ろう」です。



1997年、英国においてMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)が設立し、「持続可能な漁業の原則と基準」が起案され、1999年には漁業に対する認証の審査が始まりました。


また、2010年には養殖のASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)の国際認証制度がスタートしています。水産資源はあくまで生物。その繁殖や成長を超える量を獲ってしまえば、いずれは枯渇し、食卓に届かなくなってしまうかもしれません。日本では、実に獲った魚の約三分の一が廃棄されています。そこで、持続可能な漁業を行い、過剰な漁獲を防ぎ、水産資源を守っていく取り組みが必要不可欠なのです。



スウェーデンのスーパーの鮮魚売場や加工食品コーナーを見ると、MSC認証やASC認証のラベルが付いた魚や加工食品がずらりと並んでいます。海に囲まれた日本においては、魚は安く大量に獲れるものと意識されていますが、実は水産資源の現実は年々厳しくなっています。事実、過剰漁獲によって漁獲量が激減してしまったサンマやイワシは今や高級魚。過剰漁獲だけではなく、気候変動による海流の変化にも原因があるとされています。



スウェーデンの国民食、チューブに入ったKALLES(キャビア)もMSC認証のラベルが付いている
スウェーデンの国民食、チューブに入ったKALLES(キャビア)もMSC認証のラベルが付いている


日本のスーパー「イオン」でもMSC、ASC認証のラベル付き商品が見られるようになった
日本のスーパー「イオン」でもMSC、ASC認証のラベル付き商品が見られるようになった


鮮魚だけでなく、加工品にも認証ラベルが。認証商品を選ぶことが水産物保護につながる
鮮魚だけでなく、加工品にも認証ラベルが。認証商品を選ぶことが水産物保護につながる


今後も変わらず、おいしい魚や水産物を食べていくためにも、持続可能な漁業や養殖業によるものをいただかなければなりませんね。


また、気候変動を意識した食生活も大切です。大手スーパーイオンの鮮魚・水産加工品売場には、MSC認証・ASC認証のラベルが目立つようになりました。是非、優先して認証ラベルが付いた魚や商品を買っていただきたいと思います。




 

安並 潤

井関産業株式会社 代表取締役社長 容器包装資材の販売、セールスプロモーション事業などの展開を行う中で、サステナビリティを経営のベースとし、経営革新とイノベーションに取り組む。北欧スウェーデンを中心に、サステナブルな仕組み、モデル、商品開発、 行政、教育機関、都市計画をベンチマークし、自社の経営に取り入れる。



 

日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


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