女性視点マーケティング戦略コラム vol.6
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第6回目では、女性の人生から生まれる5つの縁を探求し、口コミがどのように拡散するかに焦点を当てます。さらに、マーケティングにはクチコミが欠かせないと言う理由について良くわかる内容になっています。クチコミマーケティングをより深く知りたい方に非常に有益な内容です。
HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、
女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。
ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。
「女縁」を通じてクチコミ拡散。同種グループの関係構築が目的
実は、これが女性たちのクチコミ拡散する正体です。女性は類似の「女縁」別に悩みや課題を共有しあっています。クチコミはそうした相手を助けたいという助け合い行動でもあります。こうしていつしかメーカーや売り手の想像もしていなかったムーブメントが女性たちの間に巻き起こるのです。元の情報を大きく画期的に発展させた女性は憧れの人となりカリスマ的な存在となってインスタのフォロワーが膨大になっていくという流れです。
「女縁」の5つの縁
「女縁」とはかくも摩訶不思議なパワーをもっていますが表舞台ではみえにくくもあります。昔も今も圧倒的に購買や消費に影響を起こしていくパワーがあります。ここで、「女縁」5 つ、血縁・地縁・職縁・友縁・交縁を整理したいと思います。
血縁とは
家族、親族、血縁関係がそれにあたります。中でも母、娘、祖母、叔母、義理の母、義理の叔母などの「女縁」。子どもの成長時期から親の介護時期まで、「血縁」は、良好かは別として強固になります。母の手料理の作り方、わが家の風習など伝承から身近な生活向上の情報まで交換し合う「女縁」です。
地縁とは
地域の縁です。居住地や学区を中心につながる縁です。伝統的な地域活動の祭りや学校行事、子ども会、町内会、PTA活動のバザーや役員活動、児童館保護者会、マンション住人の会などで出会っていく縁です。「地縁」は、その後、ここから「友縁」になる出会いもあるが、あくまで気持ちの上では深くない関係が「地縁」になります。
職縁とは
職場や仕事を通じて出会った縁です。女性の先輩、後輩、同僚、取引先など仕事を通じて出会った「女縁」は、女性にとっては将来の仕事と家庭の両立や、キャリアアップなどについての悩みを相談する相手として強い味方となります。ロールモデルという存在が見つかります。ランチタイムや女子会などで、恋愛話から職場の噂話までは尽きない「職縁」になります。
友縁とは
学生時代の友達、おさななじみ、カルチャー教室やジムなどを通じて出会った友達、子どもを通じて出会ったママ友(幼稚園・保育園/小学校・中学校・高校)など「友達」として話せる仲であるのが「友縁」です。長く付き合う関係が多い縁です。子どもの手が離れた世代の場合、みんなで一年に一回は、温泉一泊旅行へ行くとか、月1回の食事会を定期的にしているなどの行動がよく見られるのが「友縁」です。
交縁とは
SNSや社会活動のボランティアなどを通じてつながったサークル的な縁。アイドルやタレントのファン同士、災害支援活動など、自発的に飛び込んだ関心事からつながる「女縁」です。
アイドルファンの場合、手製の応援グッズや作品を作って相互交換する「交換便」や「素敵便」と呼ばれる無償の交流行動などは、女性特有の代表的な「交縁」です。無償の愛、行動を交信して共感し合う「女縁」。
まとめ
いかがだったでしょうか。
女縁とクチコミの関係が見えてきましたでしょうか。Instagramの利用者の6割は女性で、全世代で女性が男性より多いのが実情です。Instagramは写真や動画で伝えることができます。
何をどうしたらよりよく生活が向上するのか、は、文字より写真です。女性たちは、自分が所属する「女縁」別の悩みを共有し、みんなで生活向上を底上げしようと試みているのです。これがクチコミ拡散されていく真実です。
今号の女性視点マーケティングのポイント
クチコミ拡散は、同種グループの関係構築が目的である。
女性は「女縁」を5つ持っている。
血縁・地縁・職縁・友縁・交縁の5つ縁。
また女縁や、女性たちの関係性の理解を深めるにはペルソナの理解が不可欠です。
1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。
マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。
次回は、女性が創出する「7つの消費」についてお話しします。女性視点にたち、どのように消費をしているのか分かりやすくお話しします。
日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
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