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マーケティングのアプローチに有効な女性消費者の行動

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.1


女性視点マーケティング戦略コラム


女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第1回目は、今までの記事からリニューアルし、さらに「女性視点マーケティング」が今後のビジネスにいかに重要であるかを実際の具体例を交えながら解説していきます。

HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。


皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

マーケティングとは、「常に顧客視点で物事を考えること」です。マーケティングでは、常に顧客起点で物事を考えろと学びます。顧客の立場に立て、ニーズをつかめ、インサイトを掘り下げろなど、さまざまな場面で語られ、そのための手法が取られています。

では、その顧客の主役は誰でしょうか。


女性はあらゆる消費場面で影響を持つ


消費のあらゆる場面に影響力を持つのは女性です。

そのことを知っているマーケターは多いですが、しかしながら、消費リーダーは女性だとわかっていながら、女性の本質の消費行動は研究していません。

「いろいろな調査をするけれど、いまいち満足できない」「いつも同じ結論になる」「アンケートやインタビューをしてもあまり使えない」とマーケターは言います。


もちろん、「うちは男性客が多い」「お客を男女では見ていない」「男女半々のお客だから」と言われることもあります。これらのどの言葉も、とてももったいないのです。何かが足りておらず、スタート地点です。


目の前の顧客を1カウントとし、「男性は男性のモノを買う」「女性は女性のモノを買う」と考えて、目に見える答えを解決しようとしています。

男性の多くは、「自分のモノを買うことを買物」とみます。これが女性視点マーケティングに不具合を起こすのです。女性の多くは、自分のモノを買う時に、「誰かのモノを忘れていないかな」ともうひとつの脳で「考えながら」買物をします。


女性視点で急成長をしているワークマン


この数年で急成長し、今、大注目を集めているのが作業着のワークマンです。その成長を後押ししているのは、作業着を着る男性ではなく女性消費者です。女性消費者の増加に伴い、大型ショッピングモールなどに、「ワークマンプラス」という男女が気軽に立ち寄れる店を次々と出店。2020年10月には「#ワークマン女子」という女性モノを増やした初のショップを横浜にオープン。店舗は、整理券を出すほど行列が続きました。

ワークマン側は、最初は実験店舗の予定だったが、すぐに400店舗の出店計画を発表したのです。オープン後のメディア取材に、土屋哲雄専務が興味深いコメントをしています。


「開店から3日間の売れ行きは、男女兼用製品も含め、6割が女性向けに揃えた製品。来店客の8割以上が女性だったにもかかわらず、売上の半分は男性向けの製品だった。レジャー用として、女性が家族の服を購入して帰ったようだ」と話していました。


これが「女性視点マーケティング」です。


女性視点マーケティングの可能性


女性消費者は「自分を取り巻く人たちのモノ」を買う可能性を秘めて商品を見ています。

女性モノ、男性モノ、ジュニアモノ、キッズモノ、シニアモノ、ペットモノ、そしてトモ(友達)モノまで数えきれません。

マーケティングでは、「女性は家族のモノを代理購買する」という表現をします。しかし、代理購買という単純な消費行動ではありません。子どもの塾の先生へのお礼、女子会の手土産など、代理ではなく、関係維持のための買物もあります。頭の中にあらゆる関係者リストを持ち、モノを見ながら人と関連づけて買物を判断しています。


今、世界中が女性視点を求めていると「感じて」います。


それは、「男性だから」「女性だから」という不平等感の話ではなく、存在する者同士がお互いを理解し合い、手を取り合っていくことこそが、世界の課題を解決していくからです。


次回は、10年後を見据えている女性消費者についてのお話です。見落とされがちな「女性視点」のマーケティングについてお話しします。これからのマーケティングに必要な考え方ですので、是非読んでいただけたらと思います。


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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。


 

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