市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.22
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第22回目は、女性が暮らしの中で持っているいくつもの「女縁」グループについて解説します。
HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。
暮らしの中で「女縁」グループを作り情報交換を行う女性たち
女性は、暮らしの中でいくつもの「女縁」グループを持っています。
女性の「女縁」は、年齢を重ねるほど規模を拡大していきます。グループごとに関心事の話題は異なり、その場、その時、その相手に合わせて情報交換の内容が変わります。
大きく5つに分類した女縁グループである「血縁」「地縁」「職縁」「友縁」「交縁」を探っていきましょう。
血縁関係の縁「女縁」
家族、親族、血縁関係。中でも母、娘、祖母、叔母、義理の母、義理の叔母などの「女縁」です。
子どもの成長時期から親の介護時期まで、「血縁」は、良好かどうかは別として強固です。母の手料理のつくり方、わが家の風習などの伝承からファッション、アイドル、美容、商品、人気のカフェやパン屋など、あらゆる情報を交換し合う女縁が「血縁」です。
居住区や学区などでつながる縁「地縁」
地域の縁であり、居住地や学区を中心につながる縁です。伝統的な地域活動の祭りや学校行事、子ども会、町内会、PTA活動のバザーや役員活動、児童館保護者会、マンション住人の会などで出会っていく縁です。「地縁」は、その後、ここから「友縁」になる出会いもありますが、あくまで気持ちのうえでは深くない関係が「地縁」です。
職場や仕事などでつながる縁「職縁」
職場や仕事を通じて出会った縁です。女性の先輩、後輩、同僚、取引先など仕事を通じて出会った女縁は、女性にとっては将来の仕事と家庭の両立や、キャリアアップなどについての悩みを相談する相手として強い味方で、ロールモデルという存在でもあります。ランチタイムや女子会など、恋愛話から職場の噂話まで花が咲く女縁が「職縁」です。
学生時代の友達や幼なじみ、子供や趣味を通してつながる縁「友縁」
学生時代の友達、幼なじみ、趣味を通じて出会った友達、子どもを通じて出会ったママ友(幼保園・小中高)などで、親しく友達として話せる仲で、長くつき合う関係が多い縁です。子どもの手が離れた世代の場合、みんなで1年に1回、温泉旅行へ行ったり、月1回の食事会を定期的に開いたりする行動がよく見られる女縁が「友縁」です。
興味のある事柄や趣味の仲間などでつながる縁「交縁」
共通の関心事でつながる情報交流の縁です。趣味の会の仲間、社会活動のボランティアなどを通じてつながったコミュニティやサークル的な縁で、また、アイドルのファン同士などネットで交流する縁です。何年も会っていない場合でも、SNSでつながっていて何かあれば連絡が取れる縁など、交流を目的とした女縁が「交縁」です。
まとめ
今回までの記事で、女性がどれだけ消費リーダーであるかをお伝えしてきました。
女性たちは、
世帯消費の9割に口を出す
「7つの消費」を創出する
「つながり」のための8つの消費パターンを取る
「節目消費」をする
「5つの女縁」を持つ
このように、女性は常に誰かと「共」にあることを意識して行動し、驚きの消費リーダーなのです。
次回は、女性顧客との関係構築におけるビジネスモデルの事例について解説します。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
【著書】
「クチコミュニティ・マーケティング」
「女性たちのウェルビーイング」
「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。
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