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商品の魅力を伝え「共創」を大切にするDEAN&DELUCA (中編)

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.29


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第29回目は、トレンドを追わず感動を伝えるDEAN&DELUCAの取り組みと、どのような想いでお客様に伝えているのか、詳しく解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

DEAN&DELUCA(ディーン&デルーカ)が目指したものは「大切な人と家で囲む食卓」


「店舗の料理人たちは全員、一流レストランや個人店で腕を磨いてきたメンバーばかりなので、レストランクオリティの料理を楽しめるんです」と胸を張るのは、株式会社ウェルカム マーケティング室の菅野幸子さんです。


「加工されたものではなく、新鮮な野菜や素材が毎日届けられ、一から仕込みを行ないます。『見るたのしみ、つくるたのしみ、食するよろこび』という当社のコンセプト通り、食のおいしさを最大限に引き出し、大切な人と家で囲む食卓を大事にしています」と語っています。


菅野さんの言葉通り、同社の料理は消費者にとって特別な食卓となっています。今回のコロナ騒動のなかでも結婚記念日を祝いたいと、ひとり約4000円のパーティメニューを注文した夫婦がいました。


外食で祝えない代わりに、自宅で思い出に残る時間を過ごしたい――そう考えた時に、特別な料理として選ばれたのが「DEAN & DELUCA」のフードでした。


家庭の食卓を重視する同社の理念が、消費者にもしっかり伝わっているのがよくわかります。


トレンドを追わず感動したものを広めるという熱意


トレンドを入れ込むのでなく、自分たちの食べたいものを追いかける創業以来、常に新鮮な食材とメニューで消費者を虜にしてきた同社ですが、意外にもそこにはトレンドを追わない姿勢が貫かれています。


代わりにあるのは、自分たちが食べたいもの、感動したものを広めていきたいという熱意です。食材を探す視察旅行には、料理人、バイヤー、営業、そしてマーケティングと、ジャンルが異なる組み合わせで出かけます。行った先で、「これは何だろう?」と思わせる食材を見つけ仕入れてくるのです。


ドリンク、野菜、パン、調味料など印象に残ったものは何でもありです。


「それぞれの専門家たちが感動を覚えたものは、お客様にも伝わりやすい。1回食べてみてと自分たちの感動をプレゼンテーションするのが、私たちのやり方ですね。でも実はこれ、創業者のディーンとデルーカがやってきたことをそのまま実行しているだけなんです。そのためマーケティング的な観点から、今のトレンドを取り入れていこうなんてことはやっていません」


体験を伝播させお客様に伝える同社の取り組み


視察で見つけてきた食材は、その後、店舗メンバーたちに「勉強会」という形で共有されます。

どうしてその食材を気に入ったのか、どのように料理して食べるのかを熱心に伝えるうちに、他のスタッフたちにも彼らの「体験」が伝播していくというのです。


「この『体験』が重要なんです。自分たちがどれだけ『体験』するかによって、お客さんに伝えられる熱量も変わってきます」と菅野さんは指摘します。


次回は、後編で、食への想いを大切にするDEAN&DELUCAの取り組みについて詳しく解説します。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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