女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(後編)
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女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(後編)

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.37


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第37回目は、社会的価値と持続的価値が、近年重視されるようになっている現状を解説いたします。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

女性視点マーケティング成功のための「6つの共」と「6つの価値」


今までの記事で、女性視点マーケティング成功のためには、「6つの共」を意識し、マーケティングプロセスのすべてにおいて、女性たちと関係づくりを行なうことが重要だと伝えてきました。


女性たちは、「共」を通じて、何を価値基準に置いて商品を選択しているのか、ここでは、「6つの共」と「6つの価値」基準を合わせて説明します。


女性たちは、無意識に6つの価値を同時にチェックして、自分の買物が正しかったか間違ったかを判断しています。


女性消費者の買物「6つの価値」


①基本的価値(製品):製品の品質、性能、機能そのもの。信頼性

②便宜的価値(便益):お得、値ごろ、便利、助かる、使いやすい

③情緒的価値(五感):見た目が素敵。デザイン、色、形、触感など

④個人的価値(私的):自己充実できる、私らしい、ぴったり

⑤社会的価値(社会):他の人の役に立ちたい(クチコミ、シェア)

⑥持続的価値(持続):持続可能な社会に向けた具体的な行動


6つの価値を「化粧水」を例に説明してみます。


①基本的価値(製品)


化粧水という本来のモノの価値です。顔につける、潤す、保湿効果があるなど、化粧水が化粧水として持っていなければならない本質の価値です。車なら移動する、スマホなら電話ができるといったようなことです。製品そのものが持っていなければならない価値のことになります。


②便宜的価値(便益)


いわゆる「コスパ」という言葉に近く、持ち運びしやすい、重くない、値ごろ感など、その商品が、少しでもうれしく、楽しく、便利に、使いやすいといったことが価値となります。化粧水が変質しない容器、重たくない、中身がこぼれにくい、キャップの開け閉めが簡単など、使い手としてうれしい機能や工夫があることを言います。


③情緒的価値(五感)


化粧水の香りがとてもいい、ボトルの色がきれい、形がかわいいなど、五感に訴求する価値やデザインのよさなどです。ボトルのデザインが気に入って化粧台に並べたくて買うなど、情緒に訴える価値になります。


④個人的価値(私的)


忙しく働くママは、化粧水、乳液、美容液が、ひとつですべてまかなえるオールインワンが便利です。子どもに触れるので無香料・無添加が安心。50代の主婦でテニスをするなら、日焼けによるシミを防ぎたいから美肌とUV効果がある化粧水がいい。このように、女性は置かれている状態によって重視する価値が異なります。


⑤社会的価値(社会)


使ってみてよかったから友達にも教えたい、おすすめしたい感動があったなど、ママ同士、友達同士、多くの人たちに知らせたい・伝えたいなど、クチコミしたくなる要素や相互扶助につながる価値のことです。


⑥持続的価値(持続)


環境にも肌にも優しい自然由来がいい。同じ買うなら社会貢献につながる商品を買いたいと言う気持ちです。購入した金額の一部が、自然環境保護の寄付にまわる企業の商品を買いたいし、自分も意味ある行動をしたい。化粧水は使い切った時、詰め替え用があればうれしい。などといった、持続的な価値のことです。


化粧水を例に、「6つの価値」を説明してみました。


10年前の発表段階では、①から④の重みが高かったのですが、この10年間で、⑤⑥の価値はどんどん高くなってきています。そして新型コロナによってさらにそれは強くなったと言えるでしょう。





今回までで紹介した「6つの共」と「6つの価値」をひとつの絵にしたものが上の図です。

女性視点は、「共」の関係性を重視しています。そこで価値基準となるのが「6つの価値」です。


次回は、女性視点マーケティング習得に必要な5つの理解についてお話しします。


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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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