市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.39
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第39回目は、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい理解すべき5つの基本についてお話しします。
HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。
女性視点マーケティングの誤解と課題
女性視点マーケティングは、女性だからわかるということではありません。
以前の記事である「「見えないこと」が価値になる「感じる女性視点」マーケティング(後編)」の4つ目では、女性ならばわかるものではないとお伝えしました。
女性はライフイベントの変化が激しいため、従来マーケティングの常識が通らないことが多々起こります。また、女性自身も自分とは異なる状態や価値観の女性たちのことは、主観的な視点では理解できません。
多様な女性たちの存在を認め、深く掘り下げる癖をつける必要があるのです。
実は女性マーケターのほうが、自分が女性であるがゆえに「自分らしい」固定概念があり、男性マーケター以上に習得が難しいかもしれません。
女性視点マーケティングは、「もうひとつのマーケティング」という専門分野であって、性差だけに焦点を当てても意味がないのです。知識と経験を持ったプロの分野を確立する必要があります。
経営学に「女性視点マーケティング」という分野が加わってほしいと願うほどです。
「女性視点マーケティング」の真価と必要な理解
「女性」とつくだけで目を吊り上げる女性が多いですが、「女性視点」は、社会生活のほとんどに影響を及ぼすことをお伝えしてきました。
そのため広い知識と分野に向けた膨大な研究になります。単純に、女性視点マーケティングを「女性社員に任せてみた」というレベルではない高度なマーケティングなのです。そのため知識と理解不足によって成功が安定しづらいと言えるでしょう。
「任せてみたけど成果なし……」という女性社員に向けた評価を起こすことも見聞きすることもあります。
文字でお伝えするという限界はありますが、できるだけ事前に必要な知識と理解を提供していきたいと思います。
女性視点マーケティングを成功させるための5つの基本理解
女性視点マーケティングを手にすることは、大きな強みになります。
年々、難易度が高くなる消費社会をつかむための魔法の杖となるはずです。
まずは、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい5つの理解があります。
関わるプロジェクトメンバーは、この5つを事前に「理解」してスタートをしてほしいと思います。
知識と理解がなければ、到達場所が異なってしまうからです。
体調不良に飲むべき薬を知っているか知らないかで、回復は大きく異なるのと同じように、です。
女性消費者動向の理解
女性たちの置かれている状況、背景などの社会トレンド(潮流)、その変遷と今、これからを理解しましょう。
ジェンダー理解男女はなぜこうも違うのか。
その本能的な理由を知りましょう。
クラスター理解
女性はライフコース(人生行路)上のステージ(位置)によって価値観が異なります。大枠のクラスター分類を理解しましょう。
トレンド理解
女性はライフコース上の、どのステージ(位置)にいるかで求める商品やサービスが異なります。ステージ内特有のトレンドを理解しましょう。
クチコミュニティ理解
クチコミされる話題、情報など、女性の同じステージ上に位置するグループ特性を理解しましょう。
次回は、環境変化による女性消費者の動向の解説と、ジェンダー理解についても触れていきます。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
【著書】
「クチコミュニティ・マーケティング」
「女性たちのウェルビーイング」
「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。
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