まずは理解してほしい、環境変化と男女の脳の違いへの理解
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まずは理解してほしい、環境変化と男女の脳の違いへの理解

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.40


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第40回目は、女性視点マーケティング戦略を考える上で欠かせない、環境変化と男女の脳の違いについて詳しく解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

環境変化による女性消費者の動向とジェンダーへの理解


「女性消費者に起きている環境変化とその変遷、そして今とこれからを予測する」ことを習慣にしましょう。


特に日本の女性は、この30年ほどの間に、超スピードで変化をしているため、社会の流れ(潮流)をしっかりとつかんでいかなければいけません。

女性視点マーケティングに取り組もうとするプロジェクトメンバーの年齢がバラバラな場合(特に昭和世代の上司がいる場合)は、女性に対するイメージが進化していないままで進めると、大きなミスを起こします。


そのズレはじわじわと会社存続の危機になるほどです。

これは、脅しではありません。

たった30年前は、専業主婦が多い国だった日本が、今は、70%を超えて女性は就労しています。暮らしが変わらないはずがありません。また、近年は女性活躍推進などによって、働く女性の権限の上昇もあり、刻々と女性たちを取り巻く環境と生活を変化させています。


10年前の働く女性と今の働く女性も、すでにまったく違います。

女性視点マーケティングに関わるプロジェクトメンバーは、「女性視点マーケティング」をしっかり理解してほしいと思います。


女性消費者の動向を見極めるための継続的な情報収集


しかしながら、今回発信している記事は、この時期に合わせた情報でしかありません。

女性視点マーケティングでは、刻々と変化する女性消費者の動向を見ながら、先手でマーケットの変化を捉えていく必要があります。

マーケットの変化はスピードは速いため、手前味噌ではありますが、弊社が発行する女性消費者動向レポート「HERSTORY REVIEW」でキャッチアップしてください。


目まぐるしく変わる女性たちに、常にアンケートとオンラインインタビューを取り続け、リアルな声から変化の兆しをつかみ、その芽を拾って月刊で届けています。自社での情報収集に加えていただき、活用することをお勧めします。


ジェンダー理解を深め、消費者の購買プロセスを再考する


女性視点マーケティングを実践するためには、マーケティングプロセスのすべてにおいて「男性と女性の異なる感覚」があることを理解して進むことが重要になります。


以前の記事で「女性視点マーケティングは、従来のマーケティングを疑う」ところからはじめてほしいと書きましたが、もっと細かく言えば、マーケティングにおける「認知→関心→購入→評価」という消費者の購買プロセスにおけるすべてを疑ってほしいと思います。


「響くこと」が異なる男女の脳への理解


それらすべての判断は、「脳」がしています。男女は異なる脳を持っていて、買物は、目の前の視覚情報を通じて脳にいきます。

脳で「快」「不」を判断して行動へ移るのです。そして「脳」は、心でもあります。心臓に心があるのではなく、「感じる」のは「脳」です。


太古の昔から、男は狩猟し、女は収穫し、子育てをし、互いが違う役割を持つことで生き延びてきました。


そのため男女の脳は、それらの目的が容易に達成できる方向が「快」で、できない方向が「不」となっているのです。

男性にとっての「快」は、獲物を獲るための道具を手にすることで、男性の成功は、獲物の大きさです。できるだけ大勢の家族を養うことができる大物を獲得する力がある者がボスだからです。


商品とはその大物を仕留めるための道具、できるだけ最高品質、最新モデル、最高の性能、機能を指し、これは、少しでも獲物獲得力が上げるために必要だからです。


女性にとっての「快」は、届いた獲物を家族一緒に笑顔で、おいしく食べて子どもたちが健やかに育つことです。女性の成功は、おいしそうに食べる姿、ご機嫌な家族の会話や表情、ねぎらいを得ることであり、それが自分へのご褒美です。


商品はそのシーンを見るために、自分にとっての使いやすさ、子どもにとっての食べやすさや汚れの落ちやすさ、明日を考えての保存しやすさや収納しやすさなどを求めます。


  • 男性脳は、モノそのもののグレード、性能の高さを見ている。

  • 女性脳は、モノを使う時とその後のシーンを想像している。


女性視点で商品や広告を見ると、女性脳は、そこから自分や家族が実際に使っている場面を想像しているのが分かります。そこに自分や関係者が見えない広告は効きません。当事者意識になれないため、共感が起きないのです。


次回は、「ジェンダー理解」をさらに深く解説していきます。


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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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