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体内カレンダーを使い、五感で移ろいを楽しむ女性たち(後編)

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.47


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第47回目は、女性の五感を意識することの重要性について解説いたします。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

心地よい音に集う女性の「聴覚」


赤ちゃんの泣き声で、お腹が空いたのか、おむつが汚れたのかなどを聞き分け、夜中の小さな声でも母親は敏感になります。女性は、鳥の声、水の音、木々の音、風の音、笑い声、料理の音、店内の音楽、上司の声、夫の声、それらが「幸せ」の音かどうかを聞き分けているのです。

逆に、怒鳴る、威嚇する、危険音などを察知するとその場からできるだけ遠ざかろうとし、心地いい音の場所に集います。


見た目情報を重視する女性の「視覚」


視覚情報が一番、脳に入ります。女性は、目で見た情報と行動が直結するのです。

美しいか、全体にバランスは取れているか、違和感がないか、視界に不快はないか、素敵にコーディネートされているか、わくわくするか、新鮮か、食べ頃か、パッケージが素敵か、おいしそうかなど、見た目の情報はできるだけトータルに編集されて、「なんかいい感じ」と、「感じる」編集力やセンスを求めます。

どんなによい商品でも買った自分が「幸せ」な気分になれることが、見た目から伝わるようにする必要があります。


子どもの未来を脅かさないようにする「味覚」


おいしいかどうかは男女誰しも大切なことです。女性は、自然由来を大切にします。自分の食べる物は、子どもにつながっているからです。

それを本能的に察知するため、有害物の摂取は、男性以上に敏感です。アレルギーを持つ子どもへの授乳のためには、母親も一緒に食事制限をします。自分の口から入ったものが子どもたちの未来を脅かすことがないように、バランスを重視し、食べてくれるように工夫し、おいしい食事になるようにバランスと調理に配慮します。


丼よりは幕ノ内、単品よりはプレートやコースなどを好むのは、「いろいろ食べる」ことを重視するからです。味、彩り、栄養バランス、体にいいもの、楽しい雰囲気、そのすべてから「おいしい」になるからです。


快不快を判断する「触覚」


「赤ちゃん」の肌触りを基準に、「気持ちいい」「ザラザラしている」などの快不快を判断します。舌触り、手触り、指触りは敏感です。肌、髪、体をなでるような感触や、抱きしめて頬に顔を寄せた時のような柔らかさ、ふわふわ、ほかほか、ぷにょぷにょ、ふんわりなど、「まるで赤ちゃんの肌のように」という宣伝文句は、女性にとても響く言葉です。毛布、化粧品、下着を含め、体を直接温める衣料品や食品には特に大切な感触です。


五感から様々な情報を得て楽しむ女性たち


こうして女性たちは、五感からさまざまな情報を得て、身近な楽しみに変換させていきます。トレンドが好きな理由でもあります。

大切なのは、カレンダーと五感を意識して、新しい情報を提供し続けることです。女性たちは、「次は? 次は?」と楽しみにしてくれ、繰り返し来て購入します。

  • 女性の「快」は、五感から感じる心地よい感覚

  • 女性の「不」は、五感に違和感のある感覚



次回は、女性視点マーケティングで間違えてはいけない集団群について解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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