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顧客を理解するための女性の多様なライフコースと心理

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.49


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第49回目は、女性の6つのライフコースについて解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

ライフコースから見る女性の多様な顔と心理


ライフコースは、大きく分けて6つあります。

  1. Single(就業・子どもなし)

  2. Single Mother(就業・子どもあり)

  3. DINKS(共働き・子どもなし)(double incomeno kids の略)

  4. DEWKS(共働き・子どもあり)(double employedwith kids の略)

  5. Sahm'ers(専業主婦・子どもあり)(stay-athomemoms の略)

  6. SINKS(専業主婦・子どもなし)(single incomeno kids の略)


妻が結婚する前と後、子どもを出産する前と後では、別人のように変わったという夫の言葉を聞くことがありますが、それこそが女性でもあります。女の顔が強い時、母の顔が強い時、妻の顔が強い時、娘の顔が強い時など、平和な暮らしを保つために、女性は自らの責任と役割を変えて人生行路を歩んでいくからです。

同じ25歳の独身の女性であっても、ひとりは合コンで恋人探しに夢中な女の顔、もうひとりは、結婚して先月子どもが生まれたばかりで母の顔が一日のほとんど、といったように、です。


女性の多面性とその洞察力


女性が女性同士を指して「あざとかわいい」などと表現することがあります。

これは、同じ女性が相手の顔を見て、「彼女は今、男性ウケを狙っている。かわいらしさを無理やりつくっている」といったような意味になります。女性たちは、こうした同じ女性同士の中でも、「今、彼女はどの顔を見せているか」をつかむことができるからです。


雰囲気、服装、態度、声、ポーズなどで相手の様子を見抜くほど、女性はその時々の「顔」が存在するのです。


開発のヒントとなる女性顧客のライフステージ


女性は、今、どのライフコースの、どのクラスターの、どのステージにいるのかによって、その期間特有の悩みや不安、不満などのストレスを持ちます。この「不」を解決するための商品やサービスは開発のヒントになります。


あらためて、御社の女性顧客はどんな人かを把握してみてください。


「30代の女性が多い」のではなく、「どのライフコース」の「どのクラスター」の「どのステージ」の「どんなペルソナ」なのかを把握してみましょう。


横軸をライフコースとした場合、縦軸は年齢となるのですが、女性の場合、年齢だけではくくれないと伝えたように、縦はまっすぐではなく斜めになります。


女性特有のライフコースと共感の重要性


たとえば、子どもがほしいと妊活をする「期間」があります。


そして難しいとわかった場合と、授かった場合、さらには2人目、3人目となる場合で、子育て期間がなくなったり、短かったり、長くなったりとなるためです。


女性は、妊娠・出産のように、自分の肉体そのものを使う人生があるため、男性のように簡単に年代や年齢では言い表わせない、自分でも思うようにはコントロールできにくいあいまいな「期間」を持っています。


だからこそ女性たちは、「同じ境遇」の女性に共感するのです。

「共感」とは読んで字のごとし、「共」に「感じる」ことです。


社内の社員に「お客様の気持ちに立って考えろ」と言っても、顧客の状態と自分が異なっている場合、なかなか理解することは難しいでしょう。


「お客様の立場に立って考える」とは、女性顧客の場合、状態を理解し、その立場に寄り添い、コミュニケーションを積極的にとって、できるだけ「私のことをわかってくれている」と共感されることが重要です。


そのためにもまずは、女性たちのクラスター分類を理解してほしいと思います。

  • 女性の「快」は、自分の状態を理解してもらうこと。知ってもらうこと。

  • 女性の「不」は、自分の状態を理解されないこと。大切にしてくれないこと。


次回は、母親クラスターのトレンドについて解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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