市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.51
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第51回目は、子育てにおいて常に新しい知識が求められる母親クラスターについて詳しくお話しします。
HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。
女性の中でも格別の消費パワー行動を持つ母親クラスター
女性の中でも、特に「母親脳」は別格の消費パワー行動を持ちます。
生命を生んだことで開花する動物的な本能が独自の行動を取らせるからです。これは人間でない多くの哺乳動物も同じだろうと考えています。誰にも説明がつかない、圧倒的な存在となるのです。
6つのライフコースで言うところの、② Single Mother(就業・子どもあり)④ DEWKS(共働き・子どもあり)⑤ Sahm'ers(専業主婦・子どもあり)のコースです。
「母親クラスター」にいる女性は、シニア層を外すと成人女性人口の最大ボリュームのグループとなるため、女性視点マーケティングを語るうえで彼女たちの視点は、絶対に無視はできません。しかし、母親クラスターは、なっている人でなければわからない世界があります。母親になったことがない人が勉強して近づこうとしても限界があります。
母親経験者同士だからこそ理解し合える独自の世界
母親経験者は、肉体の変化や痛み、心の揺れ、子育ての日々などを経験することで、母親同士でなければ理解しあえない世界があるのです。母親クラスターは、子どもひとりが高校を卒業したと考えると、約18年間です。子どもが2人、3人となると25年ぐらいは継続される日常があります。
そのため、環境から大きなストレスを受けて生きていくことになります。
母親クラスターの最大の関心事は、子どもを守り、危険から回避させることです。男性も父親になると思うかもしれませんが、妊娠期間から出産、授乳に至るまで肉体的、精神的な変化は女性側にのみ起こります。そのため、残念ながら「母」という領域は、誰も踏み込めない別格の世界があるのです。
母親ライフコースに必要な情報と知識を得るための横連携
母親ライフコースを歩む女性は、ものすごいスピードで、大切な子どもを危険から守るための情報、知識を必要とします。常にアップロードを続けていき、2人目、3人目になると、少しだけゆとりが出るというのは、母親側に学習経験ができているからです。
それでも同じ子どもはひとりとしていません。
性格、性別、能力、個性、体力など、その子どもによってすべてが異なるのです。神経をとがらせて、ママ同士や先輩ママたちの情報を必要とし、ケーススタディだけが頼りとなります。母親クラスターの横連携は、こうして強い絆となっていくのです。
また、実母とのつながりも一気に強くなります。母親経験者同士の母娘は、孫を通じて強固な母親No.1チームとなります。
次回は、引き続き後編で母親クラスターについて解説していきます。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
【著書】
「クチコミュニティ・マーケティング」
「女性たちのウェルビーイング」
「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。
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