市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.56
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第56回目は、トレンドリーダーとのコラボレーションやメディア戦略が有効であることについて解説します。
HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。
同じクラスター内の女性トレンドリーダーの影響力
女性は「女縁」に影響されるという話を以前に書きましたが、時代がどんなに変わっても、女性のトレンドは、同じクラスター内で「共感」される情報発信リーダーたちからの影響を受けて話題になっていきます。
昭和や平成では、モデル、タレントが代表的だったが、30代、20代、10代と年齢が下がれば下がるほど、インスタグラマーやユーチューバーと、ネット上での発信力がある女性トレンドリーダーたちの存在が大きくなります。
世代別に見る女性トレンドリーダーとその影響力
たとえば、女子高校生が影響を受けているインフルエンサーランキングでは、マイナビティーンズで見ると(2020年10月)、1位は佐藤ノア、2位は莉子、3位はミチとなっています。3人ともモデルです。身につけるコスメ、ファッション、食、考え方など、すべてにおいて真似したくなるのです。
今の30代の女性たちがティーンズの頃に影響を受けたのは、アーティストの浜崎あゆみ、安室奈美恵などでしょう。
最近は、ローラや長谷川潤なども人気です。
40代の女性たちに影響を与えたモデルといえば梨花、蛯原友里、押切もえなどで、50代、60代なら富岡圭子、黒田知永子などではないでしょうか。
女性たちのトレンドを掴むには、その女性たちが影響を受けているこうしたトレンドリーダーの発信する商品はもちろんのこと、彼女たちのライフスタイルや価値観をつかみ取ることが重要です。
女性メディアは、ネットであっても、雑誌であっても「〇〇さんの暮らし方」「〇〇さんのキッチン」「〇〇さんの子育て」と〇〇さんが連呼されます。
そこに登場する〇〇さんの分野から、自社に関連する商品やサービス分野を専門としそうな人が発信する情報を意識していくと、トレンドが見えてきます。
働く独身女性向けマネーセミナーで考える発信方法
たとえば、保険会社が「働く独身女性のためのマネーセミナーを開きたい」と思えば、日経ウーマンなどの働く女性向けのメディアに取り上げてもらい、マネー企画のタイトルやムック本などの特集タイトルを真似てイベントタイトル、内容を組み立てるといいでしょう。
予算があれば、その層に近いペルソナが読むメディアに出てくる〇〇さん(トレンドリーダー)に、商品提供やアドバイスをお願いするのも有効的です。
フォロワーが多い人はポリシーもあるので、単なる商品の宣伝を投稿することは好みません。
ゆえに、開発から参加をお願いし、開発過程からSNSなどで発信するなどして、フォロワーに関心を持ってもらうのです。開発プロセスから見ているフォロワーは、自分も開発に参加している疑似体験の感覚になれるのです。発売時点では、当事者意識も生まれて即座に完売すると同時に、PRもしてくれるという相乗効果も生まれやすいでしょう。
女性にとっての「快」は、憧れの女性トレンドリーダーの暮らしに近づくこと。
女性にとっての「不」は、そこに自分の憧れの暮らしや生き方が見えないこと。
次回は、女性のクチコミについて解説していきます。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
【著書】
「クチコミュニティ・マーケティング」
「女性たちのウェルビーイング」
「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。
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