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女性視点マーケティングの実践トレーニング

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.64


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第64回目は、「誰のため」なのかを明確にし、誰に共感されるのか「共感者」を見つけ出すことについて詳しく解説していきます。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

女性マーケティングの6つの実践ステップ


女性視点マーケティングを誰もが理解し、実践に活かせるようにしたいと考えています。女性消費者は確かに複雑で、当事者でなければわからないことも多いですが、それでも理解しようと努め、誰もが「共に」という他者を思いやる気持ちが広がれば、もっと優しい社会になれる気がします。多くの方が女性視点マーケティングの実践者となり、新しい視点や価値観が広がってほしいと願っています。


今回、具体的な実行レベルについてお伝えいたします。ここでは、より実践的にマーケティングプロセスに合わせて、女性視点特有の部分を6つのステップでお話ししたいと思います。まず、マーケティングプロセスを次の6つに分けます。これは一般的なマーケティングプロセスの大枠と同じです。これらを今までお伝えしてきたことを意識しながら進めていきましょう。


①ゴール設定→誰のため

②情報収集→共感者を探す

③顧客インサイト→共鳴ポイントを探す

④企画立案→体感、実感を高める

⑤ブランディング→幸せを届ける

⑥プロモーション→クチコミで考える


【実践】「誰のため」なのか、ゴール設定をしよう


誰のために、何を、どうしてつくるのか、売るのかを、事前に関係プロジェクトメンバーでしっかりと話し合ってください。「こんな技術があるから活かせないか」「こんな製品があるから何かに使えないか」といったプロダクト志向から始めても構いませんが、その機能や要素が「誰にとってうれしいのか」を徹底的に考え抜いてください。

「誰かの大変さを、自分たちの得意分野で解決する」ことをゴール設定として、討議を進めていただきたいと思います。この段階での「誰か」は複数存在していても構いません。

「誰のため」なのか、はこのくらいにして、さらに重要な次の実践に進みたいと思います。


【実践】誰に共感される?その「誰か(共感者)」を探そう


その「誰か」という「共感者」を探しましょう。

直接のインタビューや対象クラスターのアンケートなどを行ってください。業界のマーケットボリュームや市場規模、店舗で言えば商圏内人口などのデータは、どこからでも集めることができるので、基本情報としては必要です。しかし、女性視点マーケティングでもっと大切なのは、「誰に共感されるのか」という点です。その「誰か」を見つけ、「共感ポイント」に響くかどうかが重要です。


特に今の時代、SNSなどによって「共感」がなければ、商品は売れません。目的買いの商品は、いくらでもAmazonやメルカリで調達でき、最安値も簡単に調べることができます。


本当に支持されるためには、人々のリアリティを把握することが重要です。数値やデータだけを見ているだけでは、そうした感覚を感じ取ることはできません。女性視点マーケティングでは、クラスターが異なるだけで、興味や関心、トレンドも異なるとお伝えしてきました。「みんなに」と思っていると、誰にも共感されなくなってしまいます。


「誰か(共感者)」が分からない時は、自分のためで考えてみる


「誰か」がわからない時は、「自分のため」を考えるほうが早いです。

ベンチャー企業は、自分の体験や経験から創業したケースが多く見られます。たとえば、「6つの共」で取り上げたスープストックトーキョーやDEAN & DELUCAなどは、「自分たちがいいと思うものをつくる」という強いポリシーと意志を持っています。周囲の意見に振り回されることなく、それでいて多くのお客様との絆を大切にしています。ヒット商品は「自分の経験から」生まれることが一番強いです。


もし自分に強い思いがあるならば、自分自身が「誰か」の位置に立って、その思いに共感するクラスターが最初のお客様になることもあります。顧客の立場を考える前に、「自分や自分の周り」を顧客イメージに置き換えて、できるだけ自分ごとにして情報を集めてみましょう。


次回は、対象クラスターに直接インタビューする場合について解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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