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人の「感情」が掴める女性視点マーケターになるには

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.71

女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第71回目は、感情を読み取る力の重要性と具体的なリサーチ方法について解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

デジタル時代における人の感じる感情を読み取る重要性


女性視点のマーケティングにおいて重要なのは、「人に関心を持つ」ということです。企画立案をする際に求められるスキルは、「人の気持ちを感じ取る感度」だと思います。どんなにデジタルな社会になっても、「人の感情」を読み取る力は欠かせません。それどころか、デジタルが当たり前の暮らしだからこそ、「人の感情を感じ取る感度」は、一層希少なスキルになるでしょう。

家にいながら手元のスマホひとつで何でも買える時代です。遠くにいる人たちとも会話ができるようになっています。AIはどんどん人間に近づいていますし、人間の感情も解析され科学的に活用されていくでしょう。それでも、買い物は最終的には人間の意志で行われていることを忘れてはいけません。


人の「ほしい」感情を掴むマーケターになるために


「買いたい」「ほしい」は人間の感情から生まれています。どんなに「アレクサ、今夜のおすすめの音楽をお願い」と言ったとしても、それを欲するのは人間です。消費の多くを主導している女性たちの気持ちをつかめる人材、そしてマーケターの育成は欠かせないでしょう。

では、どうしたら「感情」をつかめる人財になれるのでしょうか。まずは、日常の当たり前の風景の中で、人々の感嘆、喜怒哀楽、リアクション、会話に関心を持つことが重要です。現在は、電車の中などでスマホと向き合っている人が多いですが、それでも人が集まる場所に行けば、ヒントはたくさん見つかります。


会話からトレンドを知るリサーチ方法-カフェ


たとえば、私にはリサーチでお気に入りの店が2店あります。ひとつは、大人の女性が多いアンティークな雰囲気のカフェです。ここには、60代から70代の女性たちが趣味の会や山登りを楽しんだあとに集まっているようで、テーブルを囲んで4、5人が常におしゃべりを楽しんでいます。

話題に耳をすましていると、本当に勉強になります。


テレビの話、通販で買った健康器具、夫の病気の話、孫の様子、おいしい和菓子、季節料理の新情報など、ありとあらゆる話題がくるくると飛び交っています。特徴的なのは、いつも小みやげを持ち寄って交換していることです。それも調味料や漬物といったかなり身近な品で、それを誰かがテーブルに出すたびに盛り上がっています。

さらにこの店は、週末になるとネットマッチングサイトで出会ったと思われるカップルが初めて会う時に使われているようで、あちこちでこぎれいにした30代から40代くらいの男女が「はじめまして」とあいさつをしています。20代ではない様子から、初対面の会話には慎重さと真剣さが感じられます。


ここでは自己紹介や趣味の話、またマッチングアプリでのやりとりについての内容が聞こえてきます。どこが気に入ったかやどのフレーズが響いたかなど、興味深いワードや関心ポイントが拾えます。いや、聞きたくなくても耳に入ってきます。

私はその横の席で、パソコンをパチパチと打って仕事をしていますが、時に耳がダンボになってしまい、思わず「へー」と心の中で声をあげてしまうこともあります。


会話からトレンドを知るリサーチ方法-ショッピングモール


2店舗目は、大型ショッピングモールの中にあるフードコートです。


子連れ感覚は私自身、遠い昔に忘れてしまいましたが、ここに来れば今どきの子どもたちの服装や持ち物、そしてベビーカーやママとパパのファッションなどを観察することができます。祖父母と三世代のグループも多く、同時に三世代分の様子をウォッチできるため、こんな勉強の場はありません。


子ども連れの様子はとても重要です。例えば、映画「鬼滅の刃」が盛り上がっている時には、主人公兄妹の炭治郎と禰豆子の衣装を真似た子どもたちがあちこちに溢れていました。当然それらの衣装は、母親や祖母が手づくりしているものです。家族の様子には、その時々のトレンドや消費行動がわかりやすく見て取れるのです。



次回は、女性視点マーケティングのヒントについて解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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