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女性の色彩感覚とトレンドカラーの影響

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.75

女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第75回目は、トレンドカラーの重要性と女性たちへの影響についてお話しします。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

お化粧から養われる女性の色彩感覚


女性は、男性よりも多くの色が見えており、きれいな色には目を留めます。毎朝、化粧をし、毎晩、化粧を落とします。ファンデーション、アイシャドウ、頬紅、口紅などを使います。自分の顔に毎日向き合い、肌の調子を見ながら、使う色を変えることもあります。

たとえば、ひとりの女性が18歳から80歳まで毎日化粧をしていたと考えてみてください。


365日×62年間=2万2630回です。

週に2日休んだとしても、約1万6000回に上ります。たとえば、季節やシーンに合わせて調整します。飲み会、デート、商談、結婚式、ライブ、レジャーなど、場面に応じて変えることもあります。


色から連想する女性たちの色彩感覚


女性は、誰もが色の熟練工であり、色の魔術師ともいえるのです。

色に関しては、女性社員の力を借りるか、男性であっても色彩感覚に優れた人を巻き込んで商品やデザインを作成する必要があります。特に、ピンクの取り扱いは難易度が高いです。


男性が「女性が好むだろう」と選んだピンクを、女性の中では「ダサピンク」と呼ぶことがあるほどです。女性にとってピンクは聖域の色です。同じピンクでも、春なら桃色や桜色、秋ならコスモス色といったように、季節の花を連想させることができます。


色を知ることで広がる選択肢


近年では、肌色や髪の色、目の色などをトータルに診断し、自分に合う色や組み合わせを知ってから商品を購入する女性が増えています。自分の肌が青みがかっているか(ブルーベース)、黄みがかっているか(イエローベース)という「ブルベ・イエベ」と呼ばれる診断を受け、ファンデーションを選ぶことが一般的になっています。


化粧品メーカーやアパレル、ネイル業界では、色が非常に重要なため、スタッフがカラー診断の資格を持ち、それを販売促進につなげているケースも多く見られます。


ネットで「ブルベ・イエベ」と検索すると、多数のコンテンツや商品が出てきますので、ぜひご覧になってみてください。


カラーコーディネーター、インテリアコーディネーター、ネイリストといった色に関わる職業の8~9割は女性が占めています。これにより、女性がいかに色に対して関心が高く、専門的な知識を求めているかがわかります。


トレンドカラーの重要性と女性たちへの影響


女性向けの企画や販促において、色をテーマにするのは非常に効果的です。季節の花や誕生石に合わせたカラーを用いると、新鮮さが伝わりやすくなります。特に、トレンドカラーの活用はおすすめです。アメリカのパントン社が毎年発表する「今年のカラー」は、時代の空気を読み取ったものとして評価されています。専門家の意見を集約して決定されるこの色は、ネーミングだけでもその時代の特徴を感じ取ることができるほどです。


たとえば、2018年には「ウルトラバイオレット」という紫色が選ばれ、世の中が複雑化していることを象徴しました。2019年は「リビングコーラル」という珊瑚の色で、自然環境をイメージしました。2020年には「クラシックブルー」で、急速な社会変化の中で人々が安定を求めるだろうという予測から、回復力を養う色として紺色が選ばれました。これらの色は、後から振り返っても、不思議なほどに世の中の流れと合っているように感じられます。


そして2020年12月10日、2021年のカラーとしてグレイとイエローの2色が発表されました。グレイ(アルティメット・グレイ)は、永続的な基盤や強固な信頼を象徴し、落ち着きや安定、回復への願いを表現しています。一方、イエロー(イルミネイティング)は、生き生きとした輝きと明るく陽気な印象を与えます。この2色の組み合わせは、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージを表現していると言われています。


パントン社が発表するその年の色は、ファッション、インテリア、コスメに至るまでトレンドカラーとして幅広く使用されていきました。その1年は、グレーとイエローを目にする機会が増えていきました。



次回は、色で注意すべき色について解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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