共働き世帯の増加に伴い、家庭内の購買決定権は女性主導から夫婦で話し合って購買に至る傾向が強くなってきました。しかし、HERSTORYが行った独自アンケート「誰のために買い物をしますか?」によると、子育て世帯のママの8割以上は、自分のもの以外に夫のものを購入し、ほぼ100%のママが子どものものも購入していることがわかりました。本記事では、子育て世帯のママの購買影響力について解説していきます。
働くママの80%以上は夫と子どものものを買っている
2023年にHERSTORYが独自に行った以下のアンケートのうち、子育て世帯ママの購買影響力について見ていきましょう。
アンケート「あなたは誰のために買い物をしますか?」
子育て世帯のママの8割以上は、自分のものだけでなく夫・パートナーのものも買っており、子どものものはほぼ100%をママが買っているという結果に。20代〜40代の乳・幼児期ママ(25~44歳)は夫のものを89.8%、子どものものを98.3%も購入しており、30代〜50代の児童・思春期ママ(35~54歳)については子どものものを100%購入しています。子どもがある程度大きくなっている青年・成人期ママ(45~64歳)でも、子どものものを89.5%、夫・パートナーのものを86.8%購入しているようです。このことから、ある程度大きくなった子ども(特に息子)のものも、ママが購入していることがわかります。
【参考】お金に関する意識調査
調査期間:2023年7月19日~7月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象:15歳以上の女性481人
調査会社:株式会社ハー・ストーリィ
乳・幼児期ママ、児童・思春期ママ、青年・成人期ママとは
HERSTORYでは、購買決定権を持つ女性を10のクラスター(グループ)に分け分析し、女性消費者のトレンドの把握に役立てています。先に登場した3ペルソナ、「乳・幼児期ママ」と「児童・思春期ママ」、「青年・成人期ママ」について詳しく見ていきましょう。
乳・幼児期ママとは?
乳・幼児期ママは、20代〜40代(25歳~44歳)の子育てママのことで、第一子の年齢は0~6歳の乳幼児期。
短時間勤務などで働きながら子育てをするママが多く、授乳や夜泣き、離乳食、イヤイヤ期など、子育てが大変な時期です。家事と育児、仕事に忙しく、宅配サービスや時短系料理サービスへの関心が高い傾向があります。また、子どもの寝かしつけや気を紛らわすために、デジタルコンテンツをフル活用しているママも。ワークライフバランスや育児、自分について悩み揺れ動くママも多く、子どもの育児記録やママ友とのつながりのためにSNSの利用頻度が高いのも特徴です。
児童・思春期ママとは?
児童・思春期ママは、30代〜50代(35~54歳)の子育てママのことで、第一子の年齢は7~15歳の小中学生。
働きながら子育てをするママが多く、見た目と体力が衰えはじめ、更年期の初期症状が現れ始めるグループです。子育ての価値観が変わりゆく中、夫に頼りきれずワンオペ子育てをしてきた人が多くいます。育児に少しゆとりが出てきたため、教育資金を見据えて仕事量を増やす傾向があり、教育にかけるお金を惜しまず、宅配サービスや時短料理系サービスへの感度が高いという特徴があります。
青年・成人期ママとは?
青年・成人期ママは、40代〜60代(45~64歳)の子育てママで、第一子の年齢は16歳~成人。
子どもが高校生や大学生、社会人となったママで、ワーママもしくは主婦。閉経を迎え更年期の症状が本格的に現れはじめるグループです。自分で稼いだお金は自分のために使うという傾向があります。親の介護が本格化しており、老後資金や自分に介護が必要となったときの不安を抱えています。専業主婦の延長で家事全般は妻の仕事と言われていた世代で、バブル絶頂期と崩壊後の社会を経験しており、もともと消費欲が強いのも特徴です。
マーケティング戦略はターゲットペルソナを知ることから
HERSTORYでは、女性を10のクラスターに分類し、該当クラスターに特に響くマーケティング戦法をご提案していますが、実は10のクラスター内には、更に細分化された多数のペルソナが存在します。
クラスター内の詳細なペルソナは全29存在し、その中でも重要な21ペルソナについての情報を、別冊レポート「2023年版 女性ペルソナ名鑑 HERFACE21」として販売中です。
マーケティング戦略に役立つ最新の女性ペルソナについて知りたい方は、ぜひ手に取ってご覧ください!
男性向け商品のマーケティング戦略において、女性の影響力は考慮すべき
2023年の子育て世帯における家庭内の消費行動において、今も変わらず女性がカギを握っており、HERSTORYの提唱する女性視点マーケティングの考え方は大切と言えるでしょう。
男性や子ども用品の購入者は女性であることを考慮すると、POPやキャッチコピーを女性向けにすることで、売上は2倍に跳ね上がるかもしれません。特に、女性が買い物をする機会の多い、スーパーマーケットやドラッグストアにおいては、女性向けのPOPは必須項目と言えます。子ども向け商品の近くに、男性向け商品を配置するといった導線も有効なのではないでしょうか。
また、青年・成人期ママについては、購入する男性向け商品は夫だけでなく息子も射程圏内に入ります。そのような点からも、女性への購買刺激アプローチは欠かせません。
まとめ
子育て世帯における女性の購買影響力は、2023年も高い水準にあることがお判りいただけたのではないでしょうか。
多様化するライフスタイル、ペルソナに合わせた、緻密なマーケティング戦略が求められる昨今、HERSTORYの女性視点マーケティング理論は非常に重要となってきています。実際のアンケートデータを元に考察された、HERSTORYの10ペルソナはターゲットをしぼったマーケティング戦略に役立ちます。ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
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