「女性のあした大賞」とは...... 女性のあしたが輝く社会に貢献していると考えられる商品・サービスを表彰するものです。
受賞理由
2021年12月に誕生した日本最大の産後ケアホテル。出産は、全治2カ月の交通事故に遭ったのと同 じぐらい体に負担がかかる。そして、産後の体や心への過度なストレスで10人に1人の女性が産後うつ に悩む。そんな産後女性たちの心身を助産師や専門スタッフがケアし、ゆっくりママになるための数 多くのサービスを提供。産後ケアがまだ浸透していない日本で、つらく孤独だった産後を幸せで楽しい時間とするための大きな一歩を踏み出した。
需要の増える産後ケアのニーズに「産後ケアホテル」という新たな選択肢を提案
近年、高齢出産や共働き夫婦の増加などに伴い、産後を実家 などではなく自宅で過ごす母親が増加している。また、コロナ禍では里帰り出産を控える傾向にあるなど、出産前後の母親を取り巻く環境は 大きく変化した。「マームガーデンHAYAMA」は、産後ケアにリゾートホテルの要素を掛け合わせた、日本ではまだ数少ない宿泊型の民間産後ケア施設だ。「ゆっくり“ママ”になれる場所」をテーマに、母親と新生児にきめ細やかなケアを提供しながら、母親と家族が健やかに育児に専念できる空間と環境を提供している。保育園経営を行ってきた同社の強みと、レストランやリゾートホテルを運営する親会社のノウハウを集結して 誕生した。ホテル内には24時間赤ちゃんを預けられるベビールームを完備。専門スタッフが赤ちゃんを見守りながらの授乳や沐浴をサポートし、母親は心身の回復に専念できる。おやつを含め1日5食提供される食事は、栄養士により産後の回復や授乳に必要な栄養バランスが考えられたメニューだ。また、出産後は急激なホルモン量の変化で精神的に不安定な時期であるため、 リラックスして過ごせるよう足湯や岩盤浴、エステやヨガルームなどの施設も充実している。開業後わずか8カ月で宿泊数1万泊を超えており、平均滞在期間は“15日間”と長期滞在で利用する傾向にある。産後の女性の健康と育児の基盤を整える「産後ケア」は、身体的な回復の促進だけでなく産後うつの予防といったメンタルヘルスの観点からもニーズが高まっている。これまで妊娠・出産・育児などのライフイベントは「親のサポートを受ける 」か「自分たちで頑張る」の二択に限られていたが、産後ケア を利用するという新たな選択肢を提案している。
受賞理由
海外雑貨のようなポップなパッケージデザインの 生理用ナプキン(2022年3月発売)。Z世代をター ゲットにして、女性の健康に寄り添いたいと開発された。パッケージは、“カワイイ”や“ワクワク”を感 じられつつも、生理用品であることが伝わり、購入しやすいデザイン。世界初(※)のコットン100%ナ プキンは、生理期間を心地よく過ごすことを助けてくれる。生理のタブーから女性を解放してくれるこ とを期待。( ※シェリコット調べ)
Z世代の心と体に新しい出会いを届けるオリジナル生理ナプキン
1966年、東京・銀座に輸入生活雑貨店としてスタートしたプラザスタイル 。『PLAZA(プラザ)』 や『MINiPLA(ミニプラ)』などのストアを全国100店舗以上展開し、海外のさまざまな生活雑貨商品 を日本の市場に紹介しながら、その背景にある文化や「モノ」自体が持つ楽しさを伝えてきた。 2020年、PLAZAの顧客・スタッフともに女性比率が高かったことから、女性の健康に寄り添いたいと「 生 理」に着目。生理用品との出会いの体験、買う体験を自分たちらしくアップデートするため社内プロジェクト「Nice to meet me!」を発足した。第一弾商品である「The Week Sanitary Pad」は、 “コスメやお菓子を購入するように、生理用品をストレスなく、お買い物を楽しみながら購入してほし い”との願いを込めたオリジナルパッケージの生理用ナプキンだ。デザインだけでなく機能性にもこだ わり、コットン素材の漏れ防止ガードを採用。デリケートゾーンにはオーガニックコットンを使用し肌 への優しさを追求した。今後も活動の輪をさらに広げるため、社内外とのコラボレーションも視野に入れている。
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更年期症状のつらさを、パートナーと乗り越えられるよう助けてくれる更年期コミュニケーションアプリ(2 0 21年4月開始)40~50代の日本人女性のうち、約3割が更年期症状による日常生活への影響を訴えているが、悩みを周囲に相談できず、1人で我慢してしまう場合が多い。カウンセリングとLINEのやりとりで相談者の不調や悩みに寄り添い、家族と共有することで症状と向き合うことをサポートしてくれる点を評価。
更年期の不調に寄り添うコミュニケーションアプリ
顔のほてりや手足の冷え、気分の浮き沈みなど、更年期症状の悩みは人に相談しづらく、パートナーの理解も得られにくい──。「よりそる」は、サービス創設者自身の経験がきっかけとなって誕生したアプリだ。メインサービスとしてカウンセリングを提供し、利用者は1カ月に最大5回(お手紙カウンセリング4回、WEBカウンセリング1回)受講できる。アプリは「1人用」と、パートナーと一緒に利用する「2人用」が選択でき、LINEを利用したサービスでは2人に向けた共通の質問が1日1回送られてくる。お互いの回答はそれぞれLINEを通じて知ることができるだけでなく、質問内容は利用者からのリクエストやアメリカの「夫婦学」を参考に、やり取りを重ねるほど本人の好みに合った内容が配信されるようアルゴリズムが組まれている。きめ細やかなサポートが評判を呼び、サービス開始から1年半経つ今も会員数は伸び続けている。企業や自治体向けの研修・コンサルティングも積極的に実施しており、見えにくかった更年期の課題を可視化し、一人でつらさを抱えない社会の実現を目指している。
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岩盤浴で人気の天然鉱石ブラックシリカを繊維の中に封入した新素材BSファインで作り上げた肌着(2004年シリーズ発売)。この50年間で日本人の平均体温は1℃下がり、冷えに悩む女性は多い。BSファイン シリーズの肌着は、繊維の中の鉱石の遠赤外線でじんわりと体を温め、体温を生地が蓄熱して保つ。また、日本のものづくりの技術により薄くて軽くて快適な着心地を実現。女性の体を温めいたわってくれる点を応援したい。
着るだけで一年中体を冷えから守るMade in 岡山の新機能繊維
西の小京都岡山県津山市に本社を置く加茂繊維株式会社は、大手肌着メーカーの協力工場として50年間肌着の技術を蓄積してきた。2000年、日本のものづくりを基盤に「理想の肌着」を作りたいと新機能素材の研究開発に着手。4年の期間を経て、直径3ミクロンのポリエステル繊維の中心に、0.3ミクロンの天然鉱石ブラックシリカを封入した新機能素材「BSファイン」を開発した。“着る岩盤浴”のキャッチフレーズで親しまれているBSファインの特徴は「薄くて、軽くて、温かい」ことだ。繊維中の鉱石の遠赤外線が体を温め、生地が蓄熱・放熱しながら一定の体温を保ち続ける。だから寒い場所では温かく、暑い場所でも汗をかいたり蒸れにくい特長がある。一年を通して快適に過ごせると冷え対策に活用され、最も人気の高い「レッグウォーマー」は累計販売数200万足を突破している。直近5年は愛用者が増え続け、年平均140%成長を継続しており、現在は研究開発型素材メーカーとして、実用衣類のみならず住環境やスポーツ分野などでの用途開発を進めるほか、海外市場への進出も視野に入れている。
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一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した設計のビーチフレンドリー処方の日やけ止め。(2 0 2 2年2月リニューアル)。一部の国・地域・ビーチにおいて、持ち込みや使用が規制される特定の成分を含まない処方。さらに高い紫外線防御機能、使用感のよさ、きれいな肌仕上がりの持続性も兼ね備える。また、中身だけでなく、外装も環境に配慮した素材を採用。サステナブルな日やけ止めやコスメは、いま女性たちから注目を集めている。
海の規制に配慮した“ビーチフレンドリー”な日やけ止め
2 0 0 0年の誕生以来、機能性と美しさを追求して進化を遂げてきた花王の日やけ止めブランド「ALLI E(アリィー)」。2022年2月、ブランドリニューアルにともない一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した『ビーチフレンドリー処方』を他社に先駆けて初採用した。近年、日やけ止めに含まれる紫外線吸収剤の特定成分がサンゴの白化の原因となっており(編集部調べ)、ハワイやパラオ、ヴァージン諸島などでは日やけ止めの持ち込み・販売などが制限されている。そこで、規制に抵触する成分を除外しながら、UV カット効果の低下や白浮きなどの課題をクリア。「SPF50+・PA++++」という高い紫外線防御機能はそのままに、規制配慮の両立を可能にした。パッケージの外装にもFSC認証を取得した紙を採用し、プラスチックを削減。容器の一部にはバイオマス素材を使用している。2022年3 月からは「ALLI E」はサステナビリティに共感する企業や団体、顧客と共に取り組む活動「Think Sustainability Action」をスタートさせ、海中クリーン活動や海洋生物保護活動などを実施している。
■掲載元
HERSTORY REVIEW 2023年2月号 Vol.67 →詳しくはこちら
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