女性視点マーケティング戦略コラム vol.2
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第2回目は、女性と男性の視界の違いから読み解く、女性視点マーケティングの必要性と、女性視点マーケティング導入前に確認すべきことを解説いたします。
HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、
女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。
ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。
同床異夢。男女の視点は違うその基本に立つことから
私は長く男女の消費行動を研究してきました。女性視点マーケティングが従来マーケ
ティングと異なるという根拠は、これらの長年の研究からきています。コーポレートサイ
ト上に2004年から「男女購買行動」という診断シートを置いて今日までに7万人を超
える男女が回答しています。診断には30問の設問があります。(興味のある方はぜひど
ここでは男女に日ごろ、どんな買物行動をしているか聞いています。その結果、あきらかに男性に偏る行動、女性に偏る行動があります。もちろん差がない行動もあります。何が同じで何が違うのか。そこを明確に知り、同じところは従来で、違うところは、ハッキリと分けてマーケティングを行う必要があります。女性特有の消費行動に合わせた商品づくりや売場づくりを行えば、売上が上がるということを実際のクライアント事例で経験してきました。
その中でもっとも売上に大きく影響を及ぼした違いが「視界情報の受け取り方」です。
男女は同じ物を見ても感じるポイントが違う
男女は、同じ物、同じ風景を見ていても「視界情報の重視する点」「共鳴するポイント(視点)」が異なるのです。同床異夢。同じ人間であっても見えている事実の情報に対して、気持ちや欲求に与える響き方が異なるため、頭の中で考えている重要な価値が違うのです。
この違いをマーティングに導入して成功させるためには、男女視点の違いとは何なのか、をまずは知識として知ることです。よく女性社員に「今回の商品は女性視点を入れて作ってほしい」という場面を見ることがあります。しかし、女性だからといって「女性視点とは何か」を理論的に説明できる人はほとんどいません。男性も同じで男性向けの商品を作ったらすべてヒットするか、というとそうではないはずです。「男性視点とは何か」を正しく説明できる人は多くはないはずです。その結果、検討してきた商品が、最後は「好みだろう」という話に変わり、もっとも権限の高い人の意見で商品が世に出てしまう、ということは多々あります。
男女の「視点は異なる」ことを正しく理解し、ここではぜひとも互いが「売れる商品」
「売れる売場」を作り、女性マーケットを上手に掴み、売上倍増を目指しましょう。
女性視点マーケティング導入の前に確認するべきこと
早速ですが、女性視点マーケティングを実践するにあたり、まずしていただきたいこと
は、顧客の男女比の把握です。これをしていなければ前に進めません。今からでもいいの
で男女比を取ってください。「うちはすべてのお客様が大事」「男女は関係ない」という会
社ならなおさらです。
女性100%に近い顧客なのか、女性70%なのか、男性60%なのか。女性比率が30%以上の場合は、女性視点マーケティングの導入は絶対におススメです。
顧客のバランスに合わせて、男女視点マーケティングの導入バランスを決めることがコツです。女性客を増やしたいからと、かわいい店にしたりピンク色を増やすなど単純な発想で実行してしまうと、従来の男性客がまったく来なくなって本末転倒、ということも現実の事例でありました。大切なのは、「自社の顧客は誰か」をきちんと見るということです。
女性客が少なくとも30%以上いれば、女性視点マーケティングを取れ入れると大きく売上が変化する可能性があります。30%というのは、女性視点マーケティングの最大の強みは、「協力者」や「インフルエンサー」になり得る特性が男性より強いからです。女性客が30%以上いれば、彼女たちの力を借りて新規顧客の獲得や市場を拡大することができます。女性は1人で男性3人分の影響力を持っているのです。
今号の女性視点マーケティングのポイント
男女の違いは「視点」。同じ物を見ていても共鳴するポイントが違う
女性視点マーケティング導入の前に、顧客の男女比を把握しよう
次回は、女性の買いたい!という気持ちを刺激するためのキーワード(前編)について解説します。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい、という方は無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
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