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「」に対する検索結果が219件見つかりました

  • 日本国内での調査結果から見る男女の脳の違い

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.43 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第43回目は、男女の脳の構造と機能の違いについて、詳しく解説しています。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 男女の思考パターンに関する研究の背景 「男女の思考パターンに違いはあるか? 男脳・女脳の分析」という調査結果があります。 この研究は、早稲田大学、東京学芸大学生の男女学生の思考を、平成15年から平成18年の4年間にわたって分析したもので、男脳・女脳テストを毎年約100名で実施し続けています(「東京学芸大学紀要 自然科学系第59集」)。 研究テーマは、男女共同参画社会の実現に対して、男女が仮に思考パターンで違いが認められた場合で、真の意味で男女平等を考慮するならば、思考パターン(脳の性差)も配慮すべきであると考え、大学生を対象に思考パターンの男度・女度の調査を行なったというものです(『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著 主婦の友社)に掲載されている判定診断を使用)。 男女の思考パターンの調査結果 〈男脳・女脳診断〉 男度の高い脳とは、空間能力、論理性が高い。 女度の高い脳とは、言語能力、共調性が高い 〈見解〉 この調査から、明らかに男女の思考パターンに違いがあることが示されていました。ただし、これらは男女の思考パターンが二分されるということを意味しているのではありません。 診断結果は、男子学生には男っぽい思考パターンを示す傾向が高く、女子学生は女っぽい思考パターンを示す傾向があることを示していました。近年、男女平等や多様性を語る時に、人間は同じであるという考えのもとに論じがちですが、多様性とは異なる傾向を無視するという意味ではないはずです。 真の意味で男女平等を配慮したものとは、個々の個性の前に、男女には大きな傾向が認められることを知り、さまざまな施策を講じなければ、結果、平準化の中で、本質的な問題を見落とし、不利益な人々を増やしてしまう危うさがあると感じました。 自社で行ってきた30の質問で行われた調査 この報告に類似した調査は、弊社でも行なってきました。 ウェブサイト上に「男女購買行動診断」を設置し、30問の質問の回答データとして蓄積してきました。その結果と酷似しています。 弊社の場合は、2004年から現在まで、すでに15年以上、8万人を超える蓄積データを取り続けています。 〈結果〉 男性は、約70%は男っぽい脳。中間が20%、残り10%が女っぽい脳。 女性は、約65%は女っぽい脳。中間が25%、残り10%が男っぽい脳。 男女の脳の構造と機能の違い 男性脳とは、左脳か右脳かを切り替える「方脳交互型」で、女性の脳は「両脳連携型」と言われています。 「両脳」とは、脳の左半球(左脳)と右半球(右脳)をつなぐ脳梁(神経線維の束)が、一般的に女性のほうが太いためです。女性は、左右半球の脳の接続がよく、連絡のしやすさからひらめきが多く、直観や感覚で物事を判断するタイプになると言われています。左脳とは、言語、事実、論拠をつかむ脳で、右脳とは、感情、情緒、感覚をつかむ脳です。女性の「快」は、右脳と左脳の連携が活発なため、事実と情緒がセットです。女性の「不」は、事実だけでも感覚だけでも納得できないことということを、覚えておいてください。 次回は、女性が発する「かわいい」から見る本能的な理由について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 脳科学の観点から見た男女の違い

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.42 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第42回目は、有名人への関心の持ち方や、ゴシップに対する反応の違いから男女の脳の違いについてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 男女の脳の違いをめぐる議論とエビデンス 「男女は異なる認識をしている」と、私自身は約30年の仕事の現場から体得してきました。 ネット上には、「男女の脳は異なる」ことを書いた文章や図は膨大にあり、その逆に、「男女の脳の違いを語る本がありますが、証明はされていない」「あれは憶測や風評だ」「根拠がない」「男女の脳は違わない」などの言葉も多数見受けられます。 そこで、できるだけエビデンスを取りたいと、心理学、生物学、行動学、経営学、脳科学などさまざまな分野の「男女の違い」に関する書籍を集めてきました。 とはいえ、「脳」の中を覗き見るという分野だけは手が出せていません。 消費者の脳の反応を見るニューロマーケティング 今までの書籍で、もっとも腑に落ちたのが、「ニューロマーケティング」(ニューロ=脳神経)という世界でした。 ニューロマーケティングは、脳科学の立場から消費者の脳の反応を測定することで、消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試みです。おすすめの関連書籍の内容を一部、紹介します。 『マーケターの知らない「95%」 消費者の知らない「買いたい!」を作り出す実践脳科学』 (A・K・ブラディープ著 CCCメディアハウス) ※「女性脳が買物をする時」の項から抜粋 ヒトのほとんどの脳は似通っている。 ただし、重要な例外が2つある。 第1に、脳は加齢とともに変化する。 第2に、女性の脳と男性の脳ではハードウェアの配線が異なる。 (中略) 女性は、「心の理論」と呼ばれる能力(ミラーニューロン・システム)――他者の心の動きを相手の立場に立って推測する能力――に秀でている。女性はまた、他者に起きた出来事をあたかも自分に起きたかのように感じる能力がある。男性にも高度に機能するミラーニューロン・システムはあるが、男性の場合、他者の感情よりも行動を鏡に映したように繰り返す能力として現れる。女性には生まれつき高度の共感能力があり、他者の視点で世界を見る優れた才能が備わっている。そのため、女性消費者は、物語を聞くことが大好きで、他人がどう感じているかを知ることに強い関心を持っている。 ミラーニューロン・システム(他者の心の動きを相手の立場に立って推測する能力)は、さまざまな場面で、男女の違いを感じる時があります。 たとえば、タレントや有名人の話題について考えてみましょう。 男性の関心と女性の共感から見る思考パターンの違い 男性が、木村拓哉のファッションやスタイルに憧れて、つけていた時計がカッコいいからと購入するということはあっても、木村拓哉の妻や娘のことについて「木村拓哉の一家みたいになりたい」「家族で犬の散歩や料理の写真をインスタに上げて楽しみたい」という話題を長々とする男性はいません。 その逆に、女性はとても多いのです。 女性はどこか憧れの人の後ろ側に、その家族との関係や暮らし方なども含めて「憧れ」ているし、「こうであってほしい」があります。それは、そこに「幸せそう」と自分を重ねることがあるためです。 2020年に解散した嵐が国民的アイドルであった要素のひとつに、桜井翔さんが好き、松本潤さんが好き、というメンバー推しだけではなく、「嵐はグループの仲がいいから好き」という言葉を出す女性がとても多いのです。 「仲がいい」は女性たちが本能的に、夫婦、家族、集団という場所が「快」と判断するためです。 ゴシップ的な不倫騒動では、男性から見れば、「ヘマをしたな」「馬鹿だなぁ」「ま、あることだし、許してやれよ」と思う内容であったとしても、なかなか復活できないように見えるのは、女性視聴者のイメージダウンの大きさなのです。 女性が許さないのは、妻と子どもが自分に置き換えられた想像になるためです。 次回は、男女の脳の違いについて日本の調査論文について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 夫婦の買い物エピソードから見る男女が求める価値観の違い

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.41 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第41回目は、男女の異なる価値観について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性が幸せを感じるために大切にしていること 女性脳の「快」は、「幸せ」を感じられることです。 集団で安全な場所で、妊娠中、乳児、子ども、老人、病人なども一緒になって暮らすことです。 もっとも大切なことは、みんなが平和で穏やかなことで、夫の無事を祈り、家族たちと笑顔で過ごしたいということです。 部屋の中では、子どもが口に入れたら危険なものはないか、テーブルの角に頭を打たないかなど、周囲をくまなく見ています。家の中や周辺の不安な要素を減らして、少しでも気持ちよく暮らせるようにしようとします。そのため装飾、花、食器、テーブルクロスなど身近な細々なモノを少しでも自分の心地よいモノで揃えたいと考えています。 女性脳の「不」は、集団から外されてしまうことです。腕力がない女性は、集団行動でわが身や子どもたちを守ろうとします。そのために日頃から、周囲と良好な関係を築こうとするのです。気配り、手土産、おもてなし、互いに興味がある情報の持ち寄り、おしゃべり、そのすべてが女性にとっては、大切な生きる術なのです。 脳の「快」の違いから生まれる価値観の違い 彼女は、自分の好みのデザインや素材の前に、子どもが使用したら自分が片づけることを想像します。 もちろん自分の好みのデザインや色もあります、まずは子どもが汚すことを先に想像し、自分のための車だったら、掃除のしやすさの中から自分の好みを選びます。 夫も、もちろん家族を大切に思っていますが、レザーの内装は譲れなかったのです。家族で楽しく出かけるための車を選んだのかもしれません。しかし、使用シーンから子どもが車内を汚し、片づける自分は想像していないのです。妻の仕事だと、頭の中からは消えているのかもしれません。 女性は、母親になると、物事を見ながら第一に「子どもが使ったら」を頭に浮かべます。何気ない日々の会話の中で、妻は夫のこうした言動を見て、「家族のことを思いやらないなんて冷たい人」と感じてしまうことでしょう。 しかし、この夫が特別でもなければ、悪いのでもありません。これはとても自然な男女の起こり得る「脳」の違いなのです。 夫にとっての「快」は、いい車に乗ってレザーシートに座る自分の達成感。 妻にとっての「快」は、子どもと快適に過ごし、ぐずっても粗相をしても「快適」ができるだけ維持できる装備を得ることで、楽しいドライブ自体が少しでもキープできること。 ふたりにとって、その逆は「不」なのです。 次回は、男女の脳の違いについてさらに詳しく解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • まずは理解してほしい、環境変化と男女の脳の違いへの理解

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.40 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第40回目は、女性視点マーケティング戦略を考える上で欠かせない、環境変化と男女の脳の違いについて詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 環境変化による女性消費者の動向とジェンダーへの理解 「女性消費者に起きている環境変化とその変遷、そして今とこれからを予測する」ことを習慣にしましょう。 特に日本の女性は、この30年ほどの間に、超スピードで変化をしているため、社会の流れ(潮流)をしっかりとつかんでいかなければいけません。 女性視点マーケティングに取り組もうとするプロジェクトメンバーの年齢がバラバラな場合(特に昭和世代の上司がいる場合)は、女性に対するイメージが進化していないままで進めると、大きなミスを起こします。 そのズレはじわじわと会社存続の危機になるほどです。 これは、脅しではありません。 たった30年前は、専業主婦が多い国だった日本が、今は、70%を超えて女性は就労しています。暮らしが変わらないはずがありません。また、近年は女性活躍推進などによって、働く女性の権限の上昇もあり、刻々と女性たちを取り巻く環境と生活を変化させています。 10年前の働く女性と今の働く女性も、すでにまったく違います。 女性視点マーケティングに関わるプロジェクトメンバーは、「女性視点マーケティング」をしっかり理解してほしいと思います。 女性消費者の動向を見極めるための継続的な情報収集 しかしながら、今回発信している記事は、この時期に合わせた情報でしかありません。 女性視点マーケティングでは、刻々と変化する女性消費者の動向を見ながら、先手でマーケットの変化を捉えていく必要があります。 マーケットの変化はスピードは速いため、手前味噌ではありますが、弊社が発行する女性消費者動向レポート「HERSTORY REVIEW」でキャッチアップしてください。 目まぐるしく変わる女性たちに、常にアンケートとオンラインインタビューを取り続け、リアルな声から変化の兆しをつかみ、その芽を拾って月刊で届けています。自社での情報収集に加えていただき、活用することをお勧めします。 ジェンダー理解を深め、消費者の購買プロセスを再考する 女性視点マーケティングを実践するためには、マーケティングプロセスのすべてにおいて「男性と女性の異なる感覚」があることを理解して進むことが重要になります。 以前の記事で「女性視点マーケティングは、従来のマーケティングを疑う」ところからはじめてほしいと書きましたが、もっと細かく言えば、マーケティングにおける「認知→関心→購入→評価」という消費者の購買プロセスにおけるすべてを疑ってほしいと思います。 「響くこと」が異なる男女の脳への理解 それらすべての判断は、「脳」がしています。男女は異なる脳を持っていて、買物は、目の前の視覚情報を通じて脳にいきます。 脳で「快」「不」を判断して行動へ移るのです。そして「脳」は、心でもあります。心臓に心があるのではなく、「感じる」のは「脳」です。 太古の昔から、男は狩猟し、女は収穫し、子育てをし、互いが違う役割を持つことで生き延びてきました。 そのため男女の脳は、それらの目的が容易に達成できる方向が「快」で、できない方向が「不」となっているのです。 男性にとっての「快」は、獲物を獲るための道具を手にすることで、男性の成功は、獲物の大きさです。できるだけ大勢の家族を養うことができる大物を獲得する力がある者がボスだからです。 商品とはその大物を仕留めるための道具、できるだけ最高品質、最新モデル、最高の性能、機能を指し、これは、少しでも獲物獲得力が上げるために必要だからです。 女性にとっての「快」は、届いた獲物を家族一緒に笑顔で、おいしく食べて子どもたちが健やかに育つことです。女性の成功は、おいしそうに食べる姿、ご機嫌な家族の会話や表情、ねぎらいを得ることであり、それが自分へのご褒美です。 商品はそのシーンを見るために、自分にとっての使いやすさ、子どもにとっての食べやすさや汚れの落ちやすさ、明日を考えての保存しやすさや収納しやすさなどを求めます。 男性脳は、モノそのもののグレード、性能の高さを見ている。 女性脳は、モノを使う時とその後のシーンを想像している。 女性視点で商品や広告を見ると、女性脳は、そこから自分や家族が実際に使っている場面を想像しているのが分かります。そこに自分や関係者が見えない広告は効きません。当事者意識になれないため、共感が起きないのです。 次回は、「ジェンダー理解」をさらに深く解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 複雑で面白い女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解(後編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.39 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第39回目は、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい理解すべき5つの基本についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点マーケティングの誤解と課題 女性視点マーケティングは、女性だからわかるということではありません。 以前の記事である「「見えないこと」が価値になる「感じる女性視点」マーケティング(後編)」の4つ目では、女性ならばわかるものではないとお伝えしました。 女性はライフイベントの変化が激しいため、従来マーケティングの常識が通らないことが多々起こります。また、女性自身も自分とは異なる状態や価値観の女性たちのことは、主観的な視点では理解できません。 多様な女性たちの存在を認め、深く掘り下げる癖をつける必要があるのです。 実は女性マーケターのほうが、自分が女性であるがゆえに「自分らしい」固定概念があり、男性マーケター以上に習得が難しいかもしれません。 女性視点マーケティングは、「もうひとつのマーケティング」という専門分野であって、性差だけに焦点を当てても意味がないのです。知識と経験を持ったプロの分野を確立する必要があります。 経営学に「女性視点マーケティング」という分野が加わってほしいと願うほどです。 「女性視点マーケティング」の真価と必要な理解 「女性」とつくだけで目を吊り上げる女性が多いですが、「女性視点」は、社会生活のほとんどに影響を及ぼすことをお伝えしてきました。 そのため広い知識と分野に向けた膨大な研究になります。単純に、女性視点マーケティングを「女性社員に任せてみた」というレベルではない高度なマーケティングなのです。そのため知識と理解不足によって成功が安定しづらいと言えるでしょう。 「任せてみたけど成果なし……」という女性社員に向けた評価を起こすことも見聞きすることもあります。 文字でお伝えするという限界はありますが、できるだけ事前に必要な知識と理解を提供していきたいと思います。 女性視点マーケティングを成功させるための5つの基本理解 女性視点マーケティングを手にすることは、大きな強みになります。 年々、難易度が高くなる消費社会をつかむための魔法の杖となるはずです。 まずは、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい5つの理解があります。 関わるプロジェクトメンバーは、この5つを事前に「理解」してスタートをしてほしいと思います。 知識と理解がなければ、到達場所が異なってしまうからです。 体調不良に飲むべき薬を知っているか知らないかで、回復は大きく異なるのと同じように、です。 女性消費者動向の理解 女性たちの置かれている状況、背景などの社会トレンド(潮流)、その変遷と今、これからを理解しましょう。 ジェンダー理解男女はなぜこうも違うのか。 その本能的な理由を知りましょう。 クラスター理解 女性はライフコース(人生行路)上のステージ(位置)によって価値観が異なります。大枠のクラスター分類を理解しましょう。 トレンド理解 女性はライフコース上の、どのステージ(位置)にいるかで求める商品やサービスが異なります。ステージ内特有のトレンドを理解しましょう。 クチコミュニティ理解 クチコミされる話題、情報など、女性の同じステージ上に位置するグループ特性を理解しましょう。 次回は、環境変化による女性消費者の動向の解説と、ジェンダー理解についても触れていきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 【福島市観光コンベンション協会】「ふくしまピーチホリデイ」 の観光誘客施策

    福島市観光コンベンション協会 お客様公式サイトはこちら 女性観光客誘客数UP をめざす 福島市で開催する「ふくしまピーチホリデイ」を成功させるために事務局、担当者などの関係者が女性視点マーケティングを学び、誘致する顧客像を明確にするためのペルソナ作成を行った。 イベントは、人気を集め大成功となった。市内の飲食店や宿泊施設では規格外の桃を使ったメニューが提供され、福島市観光ノートの特設ページにおいて、8月期のアクセス数が過去最高の22万PVを大きく上回る44万PVを記録した。 また、シールラリーにはわずか3日間で200名以上が参加し、一週間でシール台紙を追加発注するほどの反響があった。この取り組みは、福島市観光コンベンション協会が仕掛け人となっており、プロモーション担当者は、反響の理由を「来訪者のペルソナが明確化されたから」と語っている。 プロジェクトのテーマ・方向性・目標 ■テーマ 女性客をターゲットにさまざまなイベントや企画を実行するも、思うように効果が出ない。女性視点マーケティングを関係者で学び、顧客ペルソナを作成し、お客様の立場に立った企画やイベントができるようにしたい。 ■プロジェクトの方向性 企画を模索するのではなく、まずはどんなお客様がどこからどのようにくるのか、という具体的なペルソナ設定からの見直しを提案。都心からの観光客、福島県内からの近隣客の2つに分けたペルソナを作成し、それぞれの行動を分析。カスタマージャーニーを作成。各ペルソナに合ったイベント、商材のの見直し、参加企業支援、PR、ネーミングなど、全施策を見直して実行する。 ■​目標 顧客ペルソナをデータに基づいて設計し、ペルソナを軸としたイベント企画、プロモーションを行える力をつけることで結果的に女性来客数増を目指す。 また、地元の参加企業などにもペルソナをもとにした観光客向けの商品企画やイベントなどができるように共有、展開していくことで地域全体の活性化を目指す。 Client Voice ■「共通認識できる女性ペルソナ像ができたことでプロジェクトの活性化に成功」 コンテンツマーケッター/ ロケツーリズムプロデューサー  金澤千裕氏 金澤さんら女性スタッフが中心となり、 2022年2月~3月にハー・ストーリィのペルソナワークショップに参加し3日間かけて来訪者のペルソナを設計。 「これほど細かく設定するとは思っておらず、驚きました」と金澤さんは振り返る。「おかげで女性客のイメージが明確になり、事業者にアドバイス しやすくなりました。」 これまでは「女性向けの商品を開発して ください」と漠然とした依頼しかできず、歯がゆかったという。ペルソナの明確化と女性視点に振り切った施策は事業者にも刺さった。 研修での学びや設計したペルソナを共有したら、参加事業者が一気に増えたのだ。飲食店や宿泊施設など、事業者は 60以上にのぼる。 ■「最大の成果は女性視点マーケティングの重要性を理解できたこと」 事務局副長 横葉純一 氏 男性と女性の考え方の違いを学べたことも収穫だ。同協会副長 の横葉純一さんは「最大の成果は女性視点マーケティングの重要 性を理解でき、ピーチホリデイという名称や施策を考え出したことだ」と話す。 当初は「WorldPeachFestival」という名前で進んでいたが、ワークショップ後に男性的な発想の名称だと感じたという。「私自身は気に入っていましたが、女性をターゲットにするなら変えるべきだと思い、話し合って変更しました」。 ペルソナや女性視点についての学びを活かし、JR福島駅西口改札前の飲食店内に設けた桃のジューススタンドも、隣にある観光案内所の内装も、Webサイトも、思い切って女性を意識したビジュアルに振り切った。あまり活用していなかったInstagramもしっかり運用することになり、順調にフォロワー数を増やしている。 わずか3日間で参加者が200名以上に 特設ページのPV数も過去最高を超える44万PVを記録 全国2位の生産量を誇る桃の産地、福島市で開催されている 「ふくしまピーチホリデイ」が人気を集めている。 市内各所の飲食店や宿泊施設で、規格外の桃を使ったさまざまな メニューを味わえる。 福島市の観光Webメディア「福島市観光ノート」は、特設ページを設けた8月期のアクセス数が、それまで 過去最高だった22万PVを大きく超える44万PVを記録。 対象商品を購入して各店のシールを3つ集めると懸賞に応募できるシールラリーは、わずか3日間で200名以上の参加があり、一週間でシール台紙を追加発注した。仕掛け人は、福島市観光コンベンション協会。 プロモーション担当の金澤千裕さんは、反響の理由を「来訪者のペルソナが明確 になったことが大きい」と分析する。同協会は、以前から女性来訪 者数を増やしたいと考えていたものの、どの層に施策を行うべきか 定められずにいた。 夏の風物詩として定着させることを目指す 「ふくしまピーチホリデイ」は、福島市が誇る果物の魅力を全国に発信するキャンペーンであり、今後5カ年計画でさまざまな女性に刺さるコンテンツを作っていき、最終的には夏の風物詩として定着させることを目指す。 初年度の反響を受け、10月からアップルホリデイも開催するとのこと。来年以降はブドウやナシでも展開したいと考えている。福島市の果物の魅力を伝えるイベントの今後に期待だ。

  • 【エースホーム (ナックハウスパートナー株式会社)】インサイトリサーチでママたちと暮らしをリアルに把握

    エースホーム (ナックハウスパートナー株式会社) お客様公式サイトはこちら 女性視点をプランニングに活かす エースホームは「安心・安全」「快適」「自分らしさ」を住まいづくりの土台とし、「次の時代のスタンダードを創る」をコンセプトに次の時代を見据えた戸建て注文住宅を全国の工務店様と共にフランチャイズ形式でナックハウスパートナー株式会社が運営している。 コロナ禍で生まれた「癒しや安らぎに寄り添う暮らし」を提案する新商品「WadiA(ワディア)」を2023年4月28日より発売開始した。 本商品企画にあたっては、女性トレンド総研と協働で子育てママへの「ウェブアンケート」や「暮らしの座談会」といったWEBアンケート調査、オンラインインタビューを行い、ママたちの暮らしをリアルに把握し、女性視点の家づくりに活かした。 プロジェクトのテーマ・方向性・目標 ■テーマ エースホームは、これまでも「施主の意見や思いを聞く」ことを大切に家づくりをしてきたが、家づくりのプロ目線ではなく「よりリアルな生活者の目線」を大切に商品企画を行っていくことをめざし、新商品開発プロジェクトがスタートした。 ■プロジェクトの方向性 ・「暮らしの座談会」を実施し、すでに注文住宅を建てており、注文住宅で子育て中のママの家づくりのリアルな声をオンラインインタビューで聞く。 ・注文住宅で子育て中のママにWEBアンケート調査を実施する。 ・子育てママの女性視点で新商品のコンセプトをつくり、企画に反映する。 ■​目標 WEBアンケート調査・オンラインインタビューを通して、想定する生活者の実態を把握し、真のニーズを掴んだ上で、新商品のコンセプトを策定し、商品企画に反映できるようにする。 Client Voice ナック ハウスパートナー株式会社 (旧社名:エースホーム株式会社) 住宅ネットワーク事業本部 ブランドマーケティング部 高梨英明氏 我々が運営する「エースホーム」はフランチャイズ方式で全国展開する住宅ブランドですが、その由来は当時のハウスメーカー「SXL」と建材大手の「TOSTEM」にあるため、これまでは技術力や建築商材など"プロダクトの強み"を生かした商品開発を行っていました。 しかし、スマートフォンの普及や働く女性の拡大により、暮らし方や価値観が急速に変化しており、従来のプロダクトアウト寄りの開発手法からの転換が急務となりました。 今回のプロジェクトでは、過去に開発した設計アイテム等を女性視点マーケティングで再評価できた事や、特にコロナ禍を経験した「生の生活者ニーズ」をオンラインインタービューでライブ感と共に得られた事が、当商品の高い評価に結びつきました。 同時に「女性視点マーケティング」との共創を通じて、我々が多くの気づきを得たことが大きな成果であり、今後も共創プロジェクトを推進したいと考えております。 【第1回】商品開発のためのコンセプトの発掘 商品開発部の社員4名を対象に、より消費者目線に立った商品開発のためのコンセプト発掘を行うため、まずはSWOTや3Cなどフレームワークを用いて「強みの抽出」を行いました。 さらに、ワークショップを通して「自社の強み」を「社会的ニーズ」との接点に落とし込む作業を行いました。強みは、住宅としての安全性能やデザイン、コストパフォーマンスの高さであると確認できました。 【第2回】ターゲット・クラスターの方向性決定 「誰に向けた商品か」というターゲット・クラスターを「乳幼児期ママ」に設定しました。 そこで、乳幼児期ママの人の暮らしをイメージして、「収納量」「子どもの通学」「家族の安全」「防災について」など、乳幼児期ママが気にしていることを想像し、洗い出しました。そして、それらを8カテゴリーにまとめました。 【第3回】注文住宅で家を建てた女性100名にWEBアンケートを実施 5年に以内に注文住宅で家を建てた女性100名にWEBアンケートを実施し、定量的な調査を通して想定クラスターの住宅購入や住まいについての実態把握を行いました。 家の中の玄関、キッチン、リビング、脱衣室等の写真とともにリアルな生活とそれぞれの「こだわりのポイント」や「使いにくい点、後悔した点」など、リアルな情報を集め、前回まとめた8カテゴリーに対して「実際はどうなのか」答え合わせをするとともに「家を建てた人たちが持っている課題」を検証しました。 【第4回】子育て中のママ4人へのオンラインインタビュー調査 子育て中のママ4人へのインタビュー調査を行い、ニーズやアイデアの発掘、コンセプトの提示などを通して、新コンセプトの可能性を探りました。 家を建てた際に「決め手になったこと」「実際にかかった価格」「こだわったポイント」などをヒアリングする中で、乳幼児期ママが家を建てる際には「子どもの将来を一番に考えている」こと、そのためには、家だけでなく土地や外構を含めた「暮らし方が重要であること」といった真のニーズが浮き彫りになりました。 これらを「女性視点サマリー」にまとめました。 【第5回】新商品企画の方向性のご提案 これまでWEBアンケート調査・オンラインインタビューで集めた女性たちのリアルな意見を「インタビューから把握した子どもがいる家庭の現実と理想の家づくりマップ」「ウェブアンケートから見える女性たちの実態・理想」という形で整理し、新商品のコンセプトの方向性について議論しました。 最終的に、女性トレンド総研より「子育てが楽しくなるロングライフな住まいと暮らし方の提案」という方向性を提案させていただきました。 【成果】「子育てが楽しくなるロングライフな住まいと暮らし方の提案」が新商品のコンセプトに 女性たちのリアルな声から生まれた新商品企画の方向性として、「子育てが楽しくなるロングライフな住まいと暮らし方の提案」~私も子どもも!家族がうれしい「周辺環境」「暮らし方提案」「お手入れ」「情報提供」「老後まで暮らせる」~と提案しました。 この方向性は、「ひとりスペース」や「アウトドアリビング」など実際に、新商品「WadiA(ワディア)」の間取りにも活かされています。 【活動レポート】WEBアンケート調査・オンラインインタビューを通してターゲットの真のニーズを掴む 女性の視点を家づくりに活かすため、今回のプロジェクトでは、自社の強みを再確認することからスタートしました。さらに「乳幼児ママ」というターゲットを設定し、定量的なWEBアンケート調査に加え、実際に会ってリアルな声を聞く定性的な調査も行い、ターゲットをよりリアルに把握することで、自社の強みとターゲットのニーズを擦り合わせ、女性視点からのコンセプト策定に導いています。

  • 【眼鏡市場(株式会社メガネトップ)】子どもの目の健康に関するアンケート結果を受けて啓発イベント開催!

    眼鏡市場(株式会社メガネトップ) >お客様公式サイトはこちら 子どもの目の健康に関するアンケート調査結果から活かした企画「親子参加型イベント」 82%の親が子どもの目の健康に関心あり!しかし60%が受診のきっかけに悩むというアンケート結果がHERSTORYの調査で分かりました。そこで「見えるにエールを!」をスローガンに掲げる眼鏡市場では、親子で目の健康を考えるイベントを本社(静岡)で開催しました。 会場には多くの親子が訪れ好評となりました。また、このアンケート結果のプレスリリースは、多くのメディアに掲載され、広告費換算約7000万円という広がりに注目度の高さを確認できました。このイベントは、今後、親子で目の健康を考える機会を増やすためのトライアルと位置づけ、全国の店舗での展開や、新たな企画につなげていくことを目指していきます。子どもの目の健康に関するアンケート調査結果から活かした企画「親子参加型イベント」子どもの目の健康に関するアンケートでは、82%の親がこどもの目や視力に関心ありと回答(※1)。 しかし、60%以上の親がその症状に対して「病院に行くほどであるのか分からない」と回答しました。子どもの目の健康を考えると、デジタル化が進みスマートフォンやゲームなどの影響により視力の低下も著しいですが、その対処法を親があまり理解できていないということがわかりました。そこで、眼鏡市場では、「目の健康を考え、見える」ことについて、親子で考えるための無料イベントを初開催。目について知る機会を親子で創り出しました。 プロジェクトのテーマ・方向性・目標 ■テーマ 眼鏡市場は、これまでも「メガネを使うすべての人をもっともっと心地よくしていきたい」という、創業以来、ずっと変わらない想いを胸に歩んでいる。子どもの目の健康に関心があるが受診のきっかけに悩むと回答した消費者に、「親子で目の健康を考える日」を設定。「見えるにエールを!」の活動の一つとしてテストトライで開催。 ■プロジェクトの方向性 ・小学生の子を持つ女性500名を対象に「子どもの目の健康」について調査を実施。結果から、「82%の親が子どもの目の健康に関心あり。しかし60%が受診のきっかけに悩むと回答」した結果を受けて企画立案。 ・目の愛護デーに合わせて、親子で参加しやすく、目に関心を持ってもらえる時期にイベントを通じて目の健康を考える機会を提供 ・今後は全国の店舗、学校や地域との連携などの実施につなぐ。 ■​目標 親が、子どもの目についてどの程度の関心があり、課題や悩みを持っているのか。そして、どのような対策をしているのか、という実態の把握を行う。「見えるにエールを!」を掲げる眼鏡市場として、今後、具体的にどのような解決の提案が地域社会に還元できるのかを検討する機会とし、具体的な策を多様に準備していくことを目標とする。 Client Voice 株式会社メガネトップ 営業本部営業企画部 副部長 冨澤美奈氏 ハーストーリィ様とのアンケートで、お子様の視力に関して不安や、疑問を持っているお母様はたくさんいらっしゃいますが、どこに相談したらいいのかわからないでいらっしゃることを知りました。当社は全国に1000店舗以上のネットワークを持ち、視力測定は無料で行っています。そういったサービスを通じて、お子様、親御さんのアイケアのサポートができればと思っています。そのためには皆様に気軽にご利用いただけるように、眼鏡市場とお客様の距離を縮めることがとても大切であると思いました。そういったことから、このイベントを通じ、地域の方たちに眼鏡市場を知っていただき、アイケアの大切さを伝えていければと思います。 【第1回】20代以降の女性500名を対象に実施した「子どもの目の健康に関するアンケート」を実施 女性インサイト総研HERSTORY調べでは、お子さまの視力について82%の方々が関心あるにも関わらず、視力を調べることについては、60%以上の方々が、病院に行く症状なのか分からないなどの理由で積極的ではないことが分かりました。 【第2回】「ミライを担う次世代、子供たちの目の健康にエールを!」タグラインに親子で体験できる社内プロジェクトをスタート ■社内プロジェクトの立ち上げ アンケート結果をもとに、解決に向けた企画の一つとして本社を活用したイベント実施の案が浮上。社内のパパ、ママ社員を中心に部署を超えてのプロジェクトがスタート。親子で楽しめる「目の健康」にかかわる企画を皆でディスカッションし、当日の内容、準備、実施に至るまで手作りの計画が進行。社内交流、コミュニケーションの活性化にもつながった。 ■イベント実施日案 ・目の愛護デーに近い土日を活用し、啓発アピールを強化させる。 ■イベントの集客方法 ・社員の知人、仲間、家族などに宣伝 ・地元のテレビ局や新聞への告知 ・地域コミュニティやタウン情報などに情報提供 ・集会所などへのチラシ配布や掲示など ・顧客へのSNSでの発信 ・HERSTORY会員の静岡エリア在住の方々へのアンケート型のPRメール ・子ども写真館と連携し、相互PR など 【第3回】133名を動員!眼鏡市場こどもイベント「見えるにエールを!」名古屋本社で開催 イベントは10/7、10/8の二日間にわたって開催し、大人61名子ども72名の総勢133名を動員し大きな盛り上がりをみせた。 ■イベントの様子 トリックアート 普段と違う見え方を体感した子どもたちからは「動いた?」「見えてきた!」など驚きの声が上がった メガネ屋さん体験 眼鏡市場の制服を着用した子どもたちが家族の視力測定にチャレンジ。 見え方研究所 研究員となった子どもたちが、様々な生き物の見え方を学び、研究シートを完成させました。 プロジェクトの成果 ・今回の眼鏡市場本社での第1弾となる親子を巻き込んでの体験型無料イベントは、普段と違う見え方を体験した「見えてきた!」と驚きの声を上げる子供の様子や、眼鏡市場のパーソナルカラーアナリストによる診断もあり「自分に似合う色ってなに?」と興味津々の様子でした。帰りには実際、本店に立ち寄り、視力測定やレンズの相談をする姿がありました。眼鏡店に行くというハードルの高さをこうした気軽なイベントの形を作ることで、店舗への立ち寄りがしやすくなることや、親子の来店の抵抗感が低くなることも確認できました。 ・手作りイベントの実施によって、社員も売り場担当だけではなく、様々な部署がかかわることでの相乗効果も副次的に生まれました。 お客様と触れ合うことでの現場体験、社員の家族参加も多く、親の職場訪問にもつながるなど、新鮮な機会を作ることができました。 ・眼鏡市場とHERSTORYとの共同のアンケート調査結果を活用してのイベント告知のプレスリリースは、メディアへの転載、掲載効果にも大きくつながりました。また相互でプレスリリースを発信することで、メディア掲載露出は、さらに二倍の効果を生み出し、広告費換算に置き換えると約7000万円という大きな効果を生み出しました。子どもの目に関する課題は、社会全体にとっても大きな注目のテーマであることを改めて認識することになりました。 >プレスリリース(HERSTORY) >プレスリリース(眼鏡市場) 今後の展望 ・今後は全国の店舗でもイベントの開催を計画中。 ・眼科医監修のアイケアBOOKを全国の眼鏡市場店舗にて無料配布。“ものが見えにくい”ことをうまく言葉で表現できない小さな子どもの目や視力に関する正しい情報を発信するなど、ご家族へのサポートも継続して行っていきます。 ・今回、日本の眼鏡の本拠地、鯖江市の「眼育(めいく)さばえプロジェクトの情報も会場に配布しました。今後は、鯖江市との連携を強化し、「目の健康」についての啓発をより一層、社会全体に向けて行うことを目指し、「見えるにエールを!」を一層、活動の柱として強化する予定です。

  • 【イオンリテール株式会社東海カンパニー】ママたちの声をヒントに作ったフードコートの「にこにこカウンター」

    イオンリテール株式会社東海カンパニー >お客様公式サイトはこちら 2023年11月23日の勤労感謝の日、日経新聞朝刊に「#これ誰にお礼言ったらいいですか」という全面広告が掲載された。誌面の真ん中には、赤ちゃんがすっぽり入っているカウンターテーブルの写真が載っている。パーソルグループが勤労感謝の日に「ありがとう!を言いたい名仕事」を募集し、そこに応募された一つの写真だ。 「これ」を実現したのはイオンリテール株式会社の井上良和氏であり、ハー・ストーリィがサポートした。2017年のイオンスタイル豊田オープン時に続き、丸6年が経過した今もこうして喜ばれ、バズったことは驚きだ。久しぶりに井上氏と日野佳恵子が、「これ」にまつわる開発秘話などを語り合った。 イオンリテール株式会社 東海カンパニー デジタル営業推進部 部長 井上 良和 氏 2000年にイオンリテール㈱入社。2009年にイオン相馬店店長に就き、以後はイオン七戸十和田駅前店開設委員長、イオン盛岡店店長、北新潟事業部長、南千葉事業部長となり、2016年にイオンスタイル豊田開設委員長となる。2019年にイオン岡崎南店長、2021年から現職。 開発当初もSNSでバズッた!カウンターテーブルに再び「ありがとう」 日野:2017年に愛知県豊田市にイオンスタイル豊田という総合スーパーがオープンすると、このテーブルを喜ぶママたちの声がSNSで大きく広がり、イオンの他店舗、他社スーパーなどでも設置が進みました。当時の開設委員長としてこのテーブルを開発した井上さんは6年経ったいま、新聞広告で「ありがとう!を言いたい名仕事」として紹介され、SNSで再びバズっている状況をどうご覧になりますか。 井上:このテーブルが、ママたちの買い物や生活が豊かになることに貢献できていることを非常にうれしく思います。逆に言えば、6年経ってもまだ子育てするママに便利な社会環境、寄りそう社会になっていないことにも気付かされました。 日野:ハー・ストーリィは、イオンスタイル豊田の開設準備期間に地域在住の女性たちからリアルな声を伺い、お店づくりに反映させるお店づくりサポータープロジェクト「ミセサポ」という取り組みを行いました。その際、井上さんが地域の方の暮らしぶりに注意深く耳を傾け、一つひとつカタチにしていく姿が印象に残っています。 井上:豊田市は、トヨタ自動車の関連企業が多く、未就学児や小学校低学年のお子さんを持つ家庭と、定年退職された方が多くお住まいで、教育にすごく熱心な地域です。お客さまの7〜8割は女性で、近隣にショッピングモールなどの大型施設があり、お店を選択するのは多くの場合、ママなど女性です。だからママたちに便利な施設をつくり、足を運んでいただきたいと思いました。 ママのお困りごとにヒントあり!2人乗りカート、ベビーパーキング導入 井上:穴の空いたテーブルは、フードコートで離乳食を食べさせる時の困りごとについて聞いた時のママのコメントが発端でした。私自身も当時、小さい子どもがいてフードコートで食べさせる時にすごく苦労した経験があります。「子どもが落ち着いて食べてくれない」という言葉がキーワードになりました。「それはなぜですか」と聞くと、「目に入るいろいろな人や物に興味を持つので、落ち着いて食べられない」という答え。さらに、「子どもはどうすると一番落ち着きますか?」と聞くと、「正面でママを見ている時です」と返ってきました。ここで、赤ちゃんとママが向かい合わせに座って食べる「にこにこカウンター」のアイデアが浮かんだのです。 日野:同じように困りごとの声から、子どもの一人が座って一人が立つという2人乗りカートや、ベビーカーの出し入れにも便利なように広いスペースを確保したベビーパーキングも設置しましたね。 井上:カートは既製品を探したところ、業者を見つけることができました。イオンスタイル豊田で導入すると瞬く間に話題となり、新たに製作されたカートはホームセンターや他のスーパーなどでも続々導入されました。これらもママたちの「不便だ」という声を元に、どうしたらその「不」を解決できるか、ひたすら考えた結果です。 不便の声を深掘りし、「不」の解消へ。前例ない取り組みも熱意でカタチにする 日野:女性の「不」を解決するための商品やサービスが店舗開発につながった好例だと思います。一方で、前例のないことに取り組んだり経費がかさむことへの何らかの声はありませんでしたか。 井上:なかったわけではないです。3階の子ども用品売り場近くに設置しているおむつ交換や授乳ができるベビー休憩室を1階のフードコートの一角にも設置した時は、2カ所に設置する理由を説明する必要がありました。でも、食事中に3階まで足を運んでいただくのは「ママと子どもに優しいお店」という本来の目的から外れると説得しました。チャレンジには説明責任が伴いますが、熱意と裏付けるお客さまの声がとても大切です。お客様第一の視点で果敢にチャレンジすることは、変革し続けるイオンだからできることだと思います。 2年前、イオンリテール㈱東海カンパニーデジタル・営業推進部に着任した時はコロナ禍だったこともあり、ネットスーパーがママたちに好評でした。ネットスーパーは便利です。でも、配達を家で受け取ることに制約が生じます。そこでイオンは、配達だけでなく店舗カウンターやドライブスルーでご都合に合わせて受け取れるピックアップというシステムを整えました。ただ、店舗によってお渡しする場所がカウンターだけ、ドライブスルーだけなどバラ付きがありました。そこで、まずは東海地域全店舗のサービスレギュレーションを半年で一律にしたところ成果が上がり、全社での取り組みへと結びつきました。どこの店舗も同じサービスレベルになっていると、利用者の方が転勤しても「やっぱりイオンは便利だね」と認知していただけると思っています。 「助かった」「うれしい」があふれる楽しい暮らし、優しい社会へ 日野:井上さんのお話からは、本当に困っていた人たちが「よくぞ、気がついてくれました!」と、「不」の解決策を探し当て実現してくれたことに対する感謝の思いを持つから、手掛ける取り組みや商品がバズるように思えます。特に女性は共感性が高いので、自分が助かったから他人も助けたいとか、私がうれしかったからみんなもコレを使ってみたら、といった気持ちが広がっているのでは。 井上:もしかすると、私と同じ話を聞いても、それが「不」だと思わない人もいるかもしれません。さらに言えば、「不」の核心部分までたどり着けなければ、善かれと思ったサービスがお客さまへの押し付けになることもあり得ます。そこに気をつけながら、若い世代にもこうした視線や思いを受け渡していきたい。「不」の解決には大きなパワーが必要ですが、解消できたらその先に未来があると感じています。 小さい子どもがいるママたちは簡単に手早く買い物を済ませたいので、圧倒的に「家から近い店」の優先順位が高くなる現実がある中で、条件が違っても足を運びたくなる便利な施設にしようという思いが、イオンスタイル豊田開設委員長としてのこだわりでした。子どもと1日中楽しく過ごせて、ママ友とも会えるような場所になれば、その店に来ること自体が目的になります。子どもがいるママたちの生活が豊かで楽になる優しい社会環境が広がる流れを、これからもどんどん発信していきたいと思います。 日野:全国展開し、大勢の方と接するチェーンストアだからこその役割といえますね。これからも「不」の声を拾い、発想もアップデートしながら解決を実践し続け、人々の暮らしを豊かにしていってください。

  • 複雑で面白い女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解(前編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.38 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第38回目は、女性視点マーケティングを理解することの重要性についてを解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 なぜ多くのマーケターが女性視点を避けてきたのか 今回から、いよいよ女性視点マーケティングを習得していただきたいと思います。 女性視点マーケティングは、(個人的な主観も入っていますが)従来マーケティングより複雑ですが面白くもあります。 「女は面倒くさい」「女は厄介」と思われがちなのは、こうした複雑さからくるものかもしれませんが、複雑を制覇すれば、競合を気にしなくてもよくなります。 この複雑感は、従来の合理的かつ論理的に解決したいマーケターにとっては、トライすることを遠のけてきた要因でもあったと思います。 「女性消費者は大事だ」と頭でわかっていても多くのマーケターは、どこか避けて通ってきました。 戦略的な頭脳を持つマーケターやコンサルタントは、男性が多く、自分に体験が持てないため、「女性視点」という話題になると説得力に欠けてしまうことを恐れ、できるだけ触れないようにしているのではないか、とさえ思う場面によく出くわしてきました。 女性消費者の重要性を認識しても理解不足のマーケター 多くのマーケティングの本では、「女性という消費者」について「重要だ」と触れつつも、数行ほど触れるだけで、ページ数をそれほど割いては居ません。 ある著名なコンサルタントのセミナーに参加した時に、「マーケティングとは『生活と営みだ』」と強調されていたが、セミナーの中では「妻の言っていることがわからない」や「女性のこういうところは理解しがたい」「買物は自分の好きなもの以外は妻に任せる」など、端々に自身は「生活と営み」に関わっていないという小ネタで笑いを取っていてびっくりしたことを覚えています。 こうした辻褄が合わないマーケターの場面に遭遇する度に、私の中で、従来マーケティングへの違和感が増幅していきました。とはいえ参加したセミナーの中での正解はあります。 それは「女性視点マーケティング」とは、まさに「生活と営み」を把握することです。つまり、男女ではないということです。 ただ、女性のほうが生物学的に、どうしても「生活と営み」を無意識に意識できる本能があるため、男女差が出てしまうのです。近年のジェンダーギャップは、人間が知性や教養を身につける前の本能的な行動が起こしてきた自然の男女の傾向にあると私は思っています。 女性とはこうだと決めつけてはいけませんが、傾向はありますし、それさえも否定してしまっては、男女の異なるよさでさえ否定してしまう側面があるのは違うと思っています。 女性視点を理解することの大切さ 中でも生理時、妊娠出産期、閉経更年期という明らかな女性ならではの肉体的な違いからくる物事の感じ方は、男女で大きな差をもたらしています。しかし、女性視点マーケティングを理解することは誰にでもできます。介護をしてみなければ、介護をしている人の気持ちはわからないし、貧困生活を経験してきた人でなければ、その苦労は想像以外にはできません。もちろん大金持ちの暮らしも、またなってみなければ誰もわかりません。 しかし、その状況を知り、理解をするだけでも、関心は変わります。 それと同じように、女性視点という世界があることを知り、同化はできなくても理解者が増えることは大きいのです。女性視点マーケティングは、今まで見えていなかったもうひとつのマーケティングなだけなのです。 女性が(少なくとも私は)従来マーケティングに違和感を持ちながらも努力して体得し、仕事をしてきたように、男性もまた女性視点マーケティングを体得はできます。体感は少なくても「理解」することはできるのです。 次回は後編で、女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(後編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.37 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第37回目は、社会的価値と持続的価値が、近年重視されるようになっている現状を解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点マーケティング成功のための「6つの共」と「6つの価値」 今までの記事で、女性視点マーケティング成功のためには、「6つの共」を意識し、マーケティングプロセスのすべてにおいて、女性たちと関係づくりを行なうことが重要だと伝えてきました。 女性たちは、「共」を通じて、何を価値基準に置いて商品を選択しているのか、ここでは、「6つの共」と「6つの価値」基準を合わせて説明します。 女性たちは、無意識に6つの価値を同時にチェックして、自分の買物が正しかったか間違ったかを判断しています。 女性消費者の買物「6つの価値」 ①基本的価値(製品):製品の品質、性能、機能そのもの。信頼性 ②便宜的価値(便益):お得、値ごろ、便利、助かる、使いやすい ③情緒的価値(五感):見た目が素敵。デザイン、色、形、触感など ④個人的価値(私的):自己充実できる、私らしい、ぴったり ⑤社会的価値(社会):他の人の役に立ちたい(クチコミ、シェア) ⑥持続的価値(持続):持続可能な社会に向けた具体的な行動 6つの価値を「化粧水」を例に説明してみます。 ①基本的価値(製品) 化粧水という本来のモノの価値です。顔につける、潤す、保湿効果があるなど、化粧水が化粧水として持っていなければならない本質の価値です。車なら移動する、スマホなら電話ができるといったようなことです。製品そのものが持っていなければならない価値のことになります。 ②便宜的価値(便益) いわゆる「コスパ」という言葉に近く、持ち運びしやすい、重くない、値ごろ感など、その商品が、少しでもうれしく、楽しく、便利に、使いやすいといったことが価値となります。化粧水が変質しない容器、重たくない、中身がこぼれにくい、キャップの開け閉めが簡単など、使い手としてうれしい機能や工夫があることを言います。 ③情緒的価値(五感) 化粧水の香りがとてもいい、ボトルの色がきれい、形がかわいいなど、五感に訴求する価値やデザインのよさなどです。ボトルのデザインが気に入って化粧台に並べたくて買うなど、情緒に訴える価値になります。 ④個人的価値(私的) 忙しく働くママは、化粧水、乳液、美容液が、ひとつですべてまかなえるオールインワンが便利です。子どもに触れるので無香料・無添加が安心。50代の主婦でテニスをするなら、日焼けによるシミを防ぎたいから美肌とUV効果がある化粧水がいい。このように、女性は置かれている状態によって重視する価値が異なります。 ⑤社会的価値(社会) 使ってみてよかったから友達にも教えたい、おすすめしたい感動があったなど、ママ同士、友達同士、多くの人たちに知らせたい・伝えたいなど、クチコミしたくなる要素や相互扶助につながる価値のことです。 ⑥持続的価値(持続) 環境にも肌にも優しい自然由来がいい。同じ買うなら社会貢献につながる商品を買いたいと言う気持ちです。購入した金額の一部が、自然環境保護の寄付にまわる企業の商品を買いたいし、自分も意味ある行動をしたい。化粧水は使い切った時、詰め替え用があればうれしい。などといった、持続的な価値のことです。 化粧水を例に、「6つの価値」を説明してみました。 10年前の発表段階では、①から④の重みが高かったのですが、この10年間で、⑤⑥の価値はどんどん高くなってきています。そして新型コロナによってさらにそれは強くなったと言えるでしょう。 今回までで紹介した「6つの共」と「6つの価値」をひとつの絵にしたものが上の図です。 女性視点は、「共」の関係性を重視しています。そこで価値基準となるのが「6つの価値」です。 次回は、女性視点マーケティング習得に必要な5つの理解についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(前編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.36 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第36回目は、サステナブルな社会の実現に向けた女性視点マーケティングの重要性について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 持続可能な社会に向けた女性視点 近年加わった“サステナブル”という視点は、持続可能な社会に向けて、世界中が手を取り合っていかなければ、私たちが住む地球、人類そのものが立ち行かなくなってしまうという考え方です。 これは、あまりに大きなテーマで、地球で暮らす私たち一人ひとりの意識の集合体であったことを自覚せざるを得ない時が来たのだと感じます。 今回は事例ではなく、女性視点であるソーシャルな視点が、いかにSDGs的な意識であるのかをお話しします。 新型コロナ拡大によって進化したパスコのSNSマーケティング戦略 この年、新型コロナの拡大によって、華やかなイベントや店頭でのお客様へのアプローチなどの自粛を余儀なくされたのです。 それらは新しい仕事の仕方、お客様との関わり方を考える機会にもなりました。選任部署として立ち上がったSNSマーケティングコミュニケーション室の役割も、顧客コミュニケーションというだけでなく、企業戦略としても位置づけられる重要な部署へと向かっています。 顧客と企業が「共育」しあっている、パスコ・サポーターズ・クラブをぜひのぞいてみてほしいと思います。 ここでは、女性たちが素敵なパンのレシピやアレンジを投稿するだけでなく、アンバサダーと言われる女性たちが、意見交換を行ない、積極的にパスコとの関わりを深めています。 プロダクト志向ではなくライフ志向の女性視点マーケティング 女性視点は、ソーシャルマーケティング型のアプローチとなります。 ソーシャルマーティングとは、マーケティングの大家、フィリップ・コトラーによって1971年に提唱されました。企業の利益追求中心のマーケティングに対して、社会との関わりを重視するマーケティングという考え方です。 女性視点は、生活と暮らしから物事を見るため、無意識にソーシャルな意識に重みがいく視点になります。 多くの企業は、ソーシャルな視点を持っていると言われるかもしれませんが、これは企業規模や経営者の意識によって、実際のところ大きなバラつきがあると思っています。 他の先進国に比較して、日本はソーシャルアプローチ型のマーケティングは弱かったと言えるでしょう。その第一の理由が、女性視点が経営戦略に入ってこなかったことが挙げられます。「お客様と共に」「社会と共に」と言いながら、当の経営人の生活や暮らしは、妻に任せっきりの男性中心で、これが日本企業の特徴でした。 売上至上主義の社会にならざるを得なかった日本社会 さらに日本は、約9割が中小企業です。 企業規模が小さくなるほど、ライフ志向よりは、プロダクト志向になりやすいのです。 どうしてもゆとりがないため、売上至上主義にならざるを得ませんでした。 モノづくりニッポンの素晴らしいところを、これから女性視点マーケティングと組んで、ライフ志向と融合させれば、きっと新たな化学反応が起こることでしょう。 ソーシャル意識が高まる文化をつくり出せれば、まだまだ面白い可能性が大いにある国なのです。 そのためには女性視点から物事を見る機会を意識的に増やすこと、そして女性視点が入った経営陣、幹部の体制をつくること、女性視点から見た「快」「不」を把握し、回避や取りやめを検討する勇気が必要となると予想します。 SNSの炎上は、女性から見て「不快」がほとんどのケース 最近、「SNSで炎上したがどうしたらいいのか」という相談のサポートをすることがあります。そのほぼすべてが、女性の共感を得たい商品に対して、女性が見て不快と感じる広告を打っている例です。 たとえば某ストッキングメーカーのSNSで、「私たち女性が買うストッキングなのに、あきらかにイラストは男性が喜ぶセクシー画になっている」というケース。 某行政の街をイメージアップするキャンペーンポスターでは、少女顔で胸の谷間が大きく強調されたアニメを使用し、地元のPTAから大ブーイングになってすべて撤去するという事態もありました。 食べ物と女性の下着を組み合わせたプロモーションでは、「女性を食べるという印象が不快だし、子どもによくない」と物議になるなど、概ね「いやらしい」「子どもによくない」という視点からの炎上が中心です。 女性視点マーケティングは、無意識に誰かをディスることや、自虐ネタ、人を傷つける風土や文化を是正していくのにも効果的と言えるでしょう。 2009年に生まれた女性視点マーケティングのアプローチ図は、当時は、誰に言っても「?」という顔をされました。 講演でこの話をしても、「あなたの言っていることは意味がわからない」「そんな視点では売上は上がらない」と散々なご意見をいただいたこともありました。 それでも今こそ、このアプローチが必要だと自分でも驚くほどに感心します。 女性たちの声は、本当に10年先を見ているのだと。 次回は、女性視点マーケティングの成功に必要な「6つの共」と「6つの価値」についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • コミュニティで「共育」し合うパスコの女性視点マーケティング戦略 (後編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.35 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第35回目は、持続可能な社会に貢献するパスコの戦略についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 持続可能な社会と共に、お客様に愛され続ける企業としての責任 国産小麦を100%使った製パンにも挑戦してきました。そこには「競合他社との差別化といったことだけではない」という、熱い思いが盛田社長にはあります。 「差別化が第一ではありません。当社の創業の理念として『金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する』という思いがあります。」 盛田社長は、自社製造のパンを国産小麦にこだわるという強い意志で挑んでいます。その理由は、国内の食料自給率を上げたいという思いです。 「初代社長盛田善平は、米騒動の時、『小麦粉からパンをつくって米の代わりに供給すれば、米不足の解消になって世の役に立つのではないか』と考え、当時経営していた製粉工場の小麦粉を使って、製パン事業をはじめました。 現在においても、食料自給率の低さは、日本の大きな問題のひとつです。2007~2008年頃には、世界的な穀物相場の暴騰が起きました。当時の製パン業界では、小麦粉はほとんどが輸入に頼っている状況であり、食料自給率向上とは無関係のように思われがちでした。 海外からの小麦が輸入されなくなったらパンづくり自体ができなくなる危機感を抱き、ほとんど目を向けられていなかった国産小麦でパンづくりに挑戦しようと取り組みをはじめました。 先進国の中で最低水準の日本の自給率を、どうにかして上げるために、私たちも貢献したいと思い、『ゆめちから』を中心とした国産小麦で、100%国産小麦のパンをつくることを目指してきました。2030年までに、『社内での国産小麦使用比率20%』を目標に掲げています」 そして敷島製パンは、創業100年を超えました。 新型コロナ拡大によって進化したパスコのSNSマーケティング戦略 この年、新型コロナの拡大によって、華やかなイベントや店頭でのお客様へのアプローチなどの自粛を余儀なくされたのです。 それらは新しい仕事の仕方、お客様との関わり方を考える機会にもなりました。選任部署として立ち上がったSNSマーケティングコミュニケーション室の役割も、顧客コミュニケーションというだけでなく、企業戦略としても位置づけられる重要な部署へと向かっています。 顧客と企業が「共育」しあっている、パスコ・サポーターズ・クラブをぜひのぞいてみてほしいと思います。 ここでは、女性たちが素敵なパンのレシピやアレンジを投稿するだけでなく、アンバサダーと言われる女性たちが、意見交換を行ない、積極的にパスコとの関わりを深めています。 KeyPoint 顧客から直接意見をいただく関係をつくる。 100年を超えて持続可能な社会への責任を果たす。 お客様と一緒に「共育」し合い、共生を目指す。 次回は、近年ささやかれ始めたサステナブルについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 【2024年6月開催】女性視点タウンウォッチセミナー代表日野が1日半で女性視点を徹底解説!体験型タウンワーク人気講座

    ■代表日野が1日半で女性視点を徹底解説!体験型タウンワーク人気講座 ■こんな方におすすめです タウンウォッチングから実際の事例を確認して自分のものにしたい 理屈や机上ではなく体感的に女性視点マーケティング®を学びたい 女性客を呼び込むための具体的な方法や店舗戦略を学びたい すぐに女性視点マーケティング®をビジネスに活かしたい ■ワークショップ概要 【日時】 6月20日(木)10時~17時 6月21日(金)10時~17時 【参加費】 ■通常価格 128,000円(税込)/1企業2名まで ■In herstory法人会員価格 98,000円(税込)/1企業2名まで ※テキスト代含む ※1回開催あたり5企業まで

  • コミュニティで「共育」し合うパスコの女性視点マーケティング戦略 (中編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.34 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第34回目は、パンの消費動向も見逃さず消費者に寄り添う組織作りを目指しているパスコの企業の取り組みについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 変化を先取りするコミュニティ「パスコ・サポーターズ・クラブ」の進化 「専任スタッフたちがフットワークよく、取り組んでくれました。それまでパスコ・サポーターズ・クラブは、お客様に商品モニターをお願いするなどクローズドな会として情報をいただくことが目的になっていましたが、中身を大きく変えて、会員様自ら楽しんでいただけるコミュニティとなり、今まで以上に双方向に情報を活発にやりとりできるようになったことは大きいです。」 ちょうどサイトがオープンしたのは、女性たちにインスタグラムが話題になりはじめていた頃でした。 SNSも日進月歩。新しいサービスやツールがどんどん登場し、選任部署も多彩な知識が求められていたのです。 選任部署のメンバーは、SNSのプロという訳ではありません。皆大至急に勉強していきながら並行してコミュニティサイトを運営するという日々がスタートしました。 「当初はFacebookが全盛だったのに、今はインスタグラムのほうが若い女性たちを中心に広がりを見せています。 1年でも、トレンドは大きく変化します。私は常々、社員に『現状維持=後退』と伝えています。常に前に踏み出していく改善と革新の姿勢を持っていなければ、世の中からあっという間に取り残されてしまいます。 今の環境が居心地はよくても、自分の意志とは関係なしに外部環境は変化するものなのです。気がつけば、時代の流れに置いていかれてしまうリスクがあります。外の声を取り入れるための社内体制を整えることは、この考えに則ったものでした。」 社内全体にも、このコミュニティサイトの存在を知ってもらい、ここでの話題やコメントが各部署で共有されています。新しい開発や改善につながっていくことも目指し、各自がSNSそのものにも関心を持ち、世の中の変化に敏感になってほしいという思いが強く伝わってきます。 SNSやスマホの特性を理解し、トレンドを見逃さない組織作り 「経営会議でもSNSの話題はよく出ます。 また営業スタッフにも、お客様が店頭に行き、パスコ商品を手に取るまでに接しているメディアは、チラシではなくスマホであることは浸透しつつあります。たとえば今は、スーパーの売場でスマホを見ながら買物をしている人が増えています。その目的はさまざまだと思いますが、料理動画を見ながら、それを自分でも再現しようと、野菜や精肉の売場に行く人は少なくないでしょう。 購買行動まで変えてしまうSNSやスマホの特性を、私たちは深く理解しなければならないと思います。同時に、リアルな世界での肌感覚を鍛えることも、とても大切だと思います。次のトレンドの予測をするためには、パン売場だけを見ていてはだめ。他の売場、他の業界のトレンドを見ることが大切だと思います」 パンを消費する生活者の変化も大きいと言えます。そうした社会の変化をしっかりと捉えられる人材づくり、組織づくりを目指していきたいと言います。 「売場を見ていると、日々変化を感じます。核家族化が進み、単身世帯も増えている昨今、1斤6枚では多く、ハーフパック(半斤分・3枚入り)が着実に売上を伸ばしています。ケーキでも、大きなものよりも小さなホールケーキやアソート系がよく出ます」 このように、世帯の状況も変わる中で、提供の仕方も年々変わっていきます。 次回は、後編で創業100年を超えるパスコの持続可能な社会と共に歩む取り組みについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

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